日本は「人生100年時代」といわれるようになり、今後も平均寿命は延びるとされています。老後資金を準備するための商品として、保険会社などの金融機関ではいろいろな種類の個人年金が販売されていますね。身近な存在の郵便局、ゆうちょで加入できる個人年金にはどのような特徴があるのでしょうか?メリットやデメリットを確認しておきましょう。

個人年金に加入するメリット・デメリット

ゆうちょ,個人年金
(画像=PIXTA)

個人年金とは、そもそもどのようなものなのでしょうか。個人年金は生命保険の1つで、公的年金とは別に保険会社などと契約して保険料を支払い、契約時に定められた年齢になったら年金を受け取ることができる仕組みです。公的年金の不足分を補う老後資金対策の1つとして、加入する人が増えています。個人年金に加入するメリット・デメリットについて紹介します。

個人年金に加入するメリット

・個人年金の保険料は所定の要件を満たすことで「個人年金保険料控除」の対象となり、所得税と住民税の負担が軽減される
・自動的に保険料が引き落とされるので確実に貯められる
・死亡保険金受取人を指定することができる
・外貨で積み立てたり運用実績を反映させたりするなど、投資性のある個人年金もあり、預貯金よりも将来の受取額を増やせる可能性がある

個人年金に加入するデメリット

・万一、加入している保険会社が倒産したときは、将来受け取る年金額が一定割合減る可能性がある
・途中で解約すると、払い込んだ保険料より解約金の方が少なくなる場合があり、損をする可能性がある
・受け取る年金額が決まっている確定型の場合は、インフレーションによってお金の価値が変わると、積み立てた資産の価値が下がる可能性がある

ゆうちょで取り扱いのある個人年金を紹介

現在、郵便局で取り扱っている個人年金系商品をご紹介します

変額年金保険(日本郵便)

支払った保険料を運用し、受け取る年金額などが増減する個人年金です。年金での受け取りのほか、一括で受け取ることもできます。年金原資と死亡保険金には一時払い保険料の100%が保証されています。

・あすへの贈り物(日本生命保険):支払った一時払い保険料は米ドル建て・豪ドル建て、特別勘定で運用され、目標となる金額を設定することもできます。一時払い保険料の金額が保証されている定率部分と、運用実績によって積立金額が増減する変額部分とに分かれています。
・ハッピーロード(三井住友海上プライマリー生命保険):一時払い保険料は外貨を指定し、特別勘定で運用されます。定額部分と変額部分に分かれています。
・しあわせの便り(三井住友海上プライマリー生命保険):一時払い保険料の全額を特別勘定で運用します。

運用実績によって年金額を増やしたい人におすすめですが、契約者が負担する費用があります。運用実績や為替相場の変動、市場金利の変動により、外貨で運用した場合は円で受け取る年金原資が支払った一時払い保険料を下回るなどの可能性があります。

変額年金保険(ゆうちょ銀行)

・ハッピーロード(三井住友海上プライマリー生命保険):日本郵便の項目で紹介したものと同じです。
・届くしあわせ(三井住友海上プライマリー生命保険):一時払い保険料の全額を特別勘定で運用します。
・人生年金 すてきに長生き(ソニーライフ・エイゴン生命保険):一時払い保険料を特別勘定で運用します。運用が不調でも、毎年一時払い保険料の0.1%分が増加します。一生涯年金を受け取る「自分年金」に加えて、夫死亡後に妻が一生涯年金を受け取る「夫婦リレー年金」を選ぶことができます。

確定拠出年金(ゆうちょ銀行)

加入者が一定額の掛け金を拠出し、自分で選んだ商品で運用を行い、年金や一時金を受け取ることができる制度です。掛け金が全額所得控除の対象となり、運用益は非課税、受け取るときは公的年金等控除や退職所得控除の対象になるなど、大きな税制メリットがあります。

加入時や口座管理など手続きに手数料がかかり、原則として60歳まで資金を引き出すことはできません。

財産形成年金定額貯金(ゆうちょ銀行)

給料やボーナスから天引きで積み立てます。加入時に55歳未満で5年以上継続して積み立てることを条件に、財産形成住宅定額貯金と合算して550万円まで非課税で貯金できます。年金を受け取るには、年金受取開始月の初日までに満60歳を迎えていなければなりません。

長寿支援保険(かんぽ生命)

・長寿のしあわせ:死亡保障を行わず、保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑え、その分増やした年金原資で長生きした場合の受取額を多くしている個人年金です。長生きすると受取額が大きくなります。

商品の特徴を押さえて加入しよう

個人年金は、公的年金を補って、ゆとりあるセカンドライフを送るために加入します。資産運用の方法や商品の仕組みをよく確認して、何歳から受け取るか、一時金と年金のどちらで受け取るかなど自分に合ったものを選び、納得したうえで加入しましょう。

文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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