住宅ローンを始め多くの借金には「保証人」という仕組みが存在しており、なかでも「連帯保証人」となってしまった方は住宅ローンを借りた人と同じように債務を返済しなければならず「重い契約」といえる。住宅ローンの際は基本的に連帯保証人を付ける必要性はないのだが、場合によっては必要となるので十分な理解をしていないとトラブルに発展するおそれもある。
今回は住宅ローンに連帯保証人が不要な理由や必要になったときに役立つ情報を解説する。
住宅ローンを借りるときの連帯保証人は基本的に不要!
住宅ローンを組もうと考えている時にもし連帯保証人が必要になったらどうしようと考えた方は多いのではないだろうか。しかし学生ローンや奨学金を借りる際には必ず必要となってくる「連帯保証人」だが住宅ローンを組む際には基本的に連帯保証人は不要だ。
なぜ連帯保証人が不要になるのか、連帯保証人以外の保証は必要になってくるのかそれぞれみていこう。
連帯保証人が不要になる理由
住宅ローンは非常に高額になるのになぜ連帯保証人が不要なのだろう?と考えた方は多いはずだ。大きな理由は購入する不動産自体が担保となっているケースが多いからだ。つまり住宅ローン契約者が支払い不能になった場合は、購入した不動産を売却するか運用することで住宅ローン分を回収しようという算段なわけだ。
また連帯保証人になってしまうとデメリットが大きいため、現代では自ら進んで連帯保証人になる人は少ない。従って昔よりも連帯保証人をみつけるのは難しくなってきていることから、連帯保証人をつけた住宅ローン申し込みが減ってしまった。その結果「信用保証会社」を利用した住宅ローン申し込みが増えていった形だ。
その代わりに金融機関では、信用保証会社による保証を条件にしている
信用保証期間とは連帯保証人とは異なり保証人となる人物を会社で代行しようという仕組みだ。住宅ローンを組む際以外にも奨学金や賃貸物件を借りる際の使用が増えてきている。信用保証会社のメリットとしては連帯保証人をたてなくても住宅ローンをスムーズに組むことができる点と審査がそこまで厳しくない点だ。大手銀行もしくは地方銀行では住宅ローンへ更にこの保証料を上乗せすることで最初から連帯保証人がいなくても住宅ローンを借りることができるという仕組みをとっている。
信用保証会社による保証料はいくら?
それでは信用保証会社による保証料はいくらなのだろうか。以下の表で「外枠方式」と「内枠方式」の二つの違いを確認しておこう。
「外枠方式」 | 住宅ローンの金利に上乗せで約0.2%が加算される |
「内枠方式」 | 借入額の約2%を保証料として支払う |
「外枠方式」と「内枠方式」のどちらが良いのか疑問にもつことだろう。この二種類は金利に上乗せされるか借入額に上乗せされるかで大きく方式が異なるので「借入期間」によって大きく返済額が変わる。35年や50年といった長期間であれば「内枠方式」がお得となり短期間であれば「外枠方式」がお得になる。
信用保証会社の注意点
信用保証会社の注意点としては「保証料が高い」点だ。保証料だけで200〜300万円にのぼる保険料を支払う場合も多く、住宅ローンの金利と保証料、元金が重くのしかかってきてしまう。
住宅ローンを借りるときの連帯保証人が必要になる場合は?
信用保証会社について理解したところで今度は「連帯保証人が必要となってしまうケース」を確認してみよう。
連帯保証人が必要となってしまうケースは以下の6ケースが多い。
・夫婦で収入を合算して住宅ローンを借りる場合
・共有名義の不動産を購入する場合
・複数の債務者形式をとっている場合
・担保提供者が住宅ローンを組む人と違う場合
・自営業の場合
・住宅ローンの借入額に対して収入が少ない場合
以上のケースでは必要となってくるのだが、連帯保証人や連帯債務者、保証人について詳しくなっておこう。また上記のケースに自身が入っている場合は「信用保証会社」を利用できない可能性が高いため保証人をさがしておく必要がある。
連帯保証人・連帯債務者・保証人とは?その違いは?
連帯保証人とは、債務を負っていなかったとしてても債務者の支払いが不可能になった場合は支払い義務が生じる。一方、連帯債務者は複数人で住宅ローンを組むということになるため最初から債務を負った人が複数人いる形だ。最後に保証人は債務者に支払い能力がない場合に支払い義務が生じる。もう少し詳しく解説する。
連帯保証人とは
住宅ローンを組んだ債務者ではなくても住宅ローンを組んだ人と同様の責任をとる必要がある。従って非常に重い契約となるため連帯保証人になるのであれば慎重な判断が求められる。
連帯債務者とは?
複数人全員に支払い義務が生じるため、連帯債務者となった場合は各々の債務者に責任がかかってくる。
保証人とは?
保証人は上記の連帯保証人や連帯債務者よりかは弱いものとなり住宅ローンの債務者が完全に支払不能になった場合に支払い義務が生じる。連帯保証人まではいかなくとも支払い義務が生じるので保証人になる際は気を付けよう。
連帯保証人を立てるリスクを知っておこう
連帯保証人が必要な場合を確認してきたが連帯保証人となった場合に住宅ローンの債務者が支払い不能になってしまうとどうなるのか解説していこう。
主債務者が自己破産してしまった場合
主債務者が自己破産してしまった場合は連帯保証人に全債務の支払い義務が生じる。上述しているが連帯保証人になった人は債務を負っていなかったとしても支払い義務が発生してしまうので注意が必要だ。
離婚してしまった場合
前提として結婚をすると「財産分与」が適用されるため結婚前に契約をかわしていない限りは資産も負債も夫婦間で背負っていかなければいけない。連帯保証人になっていない場合は住宅ローン残債の割合を裁判で争うことも可能ですが、連帯保証人となってしまった場合はほぼ確実に支払義務が生じると考えよう。
住宅ローンの金銭トラブルには要注意
今回は住宅ローンに連帯保証人が不要な理由や必要になったときに役立つ情報を解説してきた。住宅ローンには連帯保証人が基本的に不要ではあるが、もし必要になったときでも連帯保証人を付けるときには注意が必要だ。
連帯保証人や連帯債務者、保証人とどれもかかってくる責任が大きく異なるが連帯保証人だけはかかる責任が違うので、もし連帯保証人として住宅ローンを組むのであればそれ相応の覚悟をしよう。また「信用保証会社」を利用する際は「内枠方式」と「外枠方式」の違いを理解して住宅ローンの総返済額を減らすことを考えよう。
短期間であれば「内枠方式」がお得だが長期間の利用をするのであれば「外枠方式」一択だ。しかし「外枠方式」だと初期費用が大きくかかってしまうため最初の費用を用意できない人はしかたないが「内枠方式」を選択しよう。特に連帯保証人をうけたことで友人間や親戚間に亀裂が入ったケースは珍しくないため慎重な判断をくだす必要がある。(ZUU online 編集部)