2019年9月3日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
米中の貿易摩擦を考えると、各トップの期限の違いは大きい。米国大統領の任期は2期(最長8年)までと決まっている一方、中国主席は死ぬまで主席だ。また中国は中華思想で、自分たちが天下(世界)の中心だと思っているため、トランプ米大統領が仕掛けてきた関税競争なのに、それに対して自分たち中国側が先にやめる必要はさらさらないし、後々名を汚すことを避けたいであろうことを考えても、習近平中首席はのらりくらりと逃げるのではないかと考えている。なので、そう簡単に解決はしないだろう。米中貿易摩擦は激化せずにある意味上手く為替を動かしており、決着しそうな思惑が出てくるとドルが買い戻されるという動きになる。しかしそれに翻弄されることなく、買い戻されたところはしっかり売っておきたい。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米中貿易摩擦の進展が期待できないことから、さほどドル高が強くなるとは思わないが、マーケットがどうしてもショートに傾きやすい。そのため、米ドル/円で107.25~107.30円くらいまでは、上値の可能性を考えている。ただ、106円後半から107円前半は持っているロングであれば利食うが、それよりも跳ねたところをショートで振っていきたい。105円台はGPIFの買いが入っているようだが、105円台で買ったものは107円付近でヘッジをかける(売っている)ようだ。よって、あまり調子に乗って106円台後半まで買い上がるつもりはない。イメージは107円近いところを売って、105円ミドルから105円後半で買い戻す、どちらかというと非常に狭いながらも売り回転。今週の米ドル/円予想レンジは105.20~107.30円。また、来週10日(火)の英議会で英ポンド/円がさらに下がるかもしれないことを考えてもやはり、ショート先行で考えておきたい。
小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。