「保険に入っておいた方がいいのかな?」と思いつつ、いざ選ぶとなるとなんだか難しくて敬遠しまう……そう感じたことはありませんか?知識がないと自分で選ぶのは難しいですが、かといって保険の営業マンに言われるがまま契約するのは怖い気もしますよね。今回は、そんな迷える女性のために、保険代理店で働いていた女性FPによる「保険選びのポイント」をご紹介します。
生命保険の種類4つ
一口に「保険」といっても、その種類は多岐に渡ります。まずは大まかな保険の種類を確認しましょう。
死亡保険
狭い意味での「生命保険」で、亡くなったら保険金が出て遺族が受け取れるというものです。
医療保険・がん保険
医療保険は病気やケガをした際の入院、通院、手術費用などを保障します。がん保険は、数ある病気の中でも「がん」だけに特化した医療保険です。
就業不能保険(収入保障保険)
医療保険は病気やケガの際の「治療費」をカバーしますが、就業不能保険は病気やケガで「働けなくなったときの生活費」をカバーします。
介護保険
体調の悪化や認知症の発症などで介護が必要になってしまったときに、年金や一時金などを受け取れます。医療保険の特約として付けられるタイプもあります。
個人年金保険
老後資金を貯めるために利用される保険です。将来に向けてお金を積み立てていき、あらかじめ設定した年齢になると年金や一時金として受け取ることができます。
みんな保険にいくらくらい使っているの?
生命保険文化センターが実施した「生命保険に関する全国実態調査(2018年)」によると、生命保険の世帯加入率は88.7%でした。40歳~64歳では90%を超えています。世帯の平均をとると、加入件数は3.9件、年間の保険料負担は38万2,000円(月3万2,000円程度)、死亡保険金額は2,255万円となりました。
同センターの「生活保障に関する調査(2016年)」で女性に限った数字を見てみると、加入率は20代で53.2%、30代で81.3%、40代で87.1%、50代で88.1%、60代で83.5%となっていて、平均で1年間に17万4,000円(月1万4,500円程度)の保険料を支払っているという結果でした。
とはいえ、保険は本来、平均やランキングを見て「みんながこうしているから自分も」と選ぶ類のものではありません。同じ年齢・性別でも、収入や貯蓄、家族構成、病歴、お金に関する考え方など、条件が違えば最適な保険も一人一人違います。自分の状況と保険内容、それぞれをよく理解して考えることが大切です。
保険に加入するときの基本的な考え方
独身、共働き、専業主婦など多様なライフスタイルがありますが、漏れや無駄を防いでぴったりの保険を見つけるコツは共通しています。それは、「保険で用意するべき金額=もしものときにかかる金額-(預貯金+財産等+公的な保障としてもらえる金額)」と考えるということです。
もし自分が「亡くなってしまったら」「病気になったら」「介護が必要になったら」具体的にいくらくらいお金が必要になるのか計算してみましょう。ざっくりとした金額で大丈夫です。そして、その負担がかかる先は自分だけか、親なのか、配偶者なのか、子どもなのかを想像します。
次に、もしその事態に陥ったときに使えるお金をいくら持っているか考えていきます。預貯金など自分や家族の財産、そして遺族年金・障害年金など国からもらえるお金の合計を、こちらもざっくりで構いませんので知っておきましょう。ここで、「もしものときにかかるお金」より「用意できるお金」の方が多そうだとわかれば、わざわざ保険に加入して備えなくても大丈夫と判断できます。
女性特有のリスクに備えた医療保険って?
たとえば医療費については、自己負担額を一定の金額までに抑えられる「高額療養費制度」や、医療費を多く支払った場合に税金が安くなる「医療費控除」などの公的な保障もあるため、ある程度貯金のある方なら不要とも言えます。
ただ、女性の場合は帝王切開や流産、乳がんや子宮頸がんなどもあり、若くして病院にかかる確率が男性よりも高いため「医療保険に入っていてよかった!元が取れた!」というケースがあります。不安なら、貯金ができるまで、もしくは妊娠する可能性がある若い間だけ、女性特約を付けた医療保険に加入しておくというのも一考の余地があるでしょう。
将来の備えとしての保険は入るべき?
老後に向けて生命保険(終身保険)や個人年金保険でお金を貯めていこうという方もいます。これに関しては、保険以外にも確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAなどいろいろな公的制度が用意されているので、そちらとも比較したうえで自分に合うものを選びましょう。
ライフステージに合わせて保険を選ぼう
保険に基礎知識を身につけることは、自分にぴったりの保険を選ぶための第一歩です。そして、いまの自分にぴったりな保険を選んだと思っても、その後結婚したり、子どもができたり、家を買ったり、仕事を辞めたり、何か生活環境に変化があった場合、必要な保障額が変わってくることがあります。一度入ったら入りっぱなしにせず、ライフステージに応じて都度見直していくようにしましょう。
文・馬場愛梨(「貧困女子」脱出アドバイザー/ばばえりFP事務所 代表)/fuelle
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