要旨
ブラジルの2019年4-6月期の実質GDP成長率は前期比0.4%増(季節調整値)と、2四半期ぶりのプラス成長に転じ、景気後退(2四半期連続のマイナス成長)を回避した。需要項目別では、内需は減速が明確となった1-3月期から持ち直しの兆しも見られるが依然として低調である。外需も輸出が落ち込み、寄与度が2四半期連続のマイナスとなった。
先行きのブラジル経済は、最重要課題である年金改革について、2019年内に法案成立の見込みが立ち、中長期的に成長率を押上げることが期待される。しかし、短期的には緩慢な成長が続くだろう。内需は緊縮的な財政政策を採用する公的部門や、世界経済の減速によって景況感が悪化している企業部門にはあまり期待できない。景気刺激策や金融緩和によって民間消費が拡大していくが、内需全体では力強さを欠くだろう。外需も世界経済の減速によって輸出が振るわず、期待できないであろう。