多くの人が住みたがる街(駅)ほど、不動産投資先としての人気が高まり、安定した入居者や賃料の確保、ひいては将来的な資産価値の上昇も期待できるものです。そのため各種の機関が実施している「住みたい街」に関するランキング調査がその参考になりますが、なかでも注目しておきたいのが、リクルート住まいカンパニーの『SUUMO住みたい街ランキング2019関東版』)です。

便利な街(駅)なのに人気が高くないエリアもある

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(画像=PIXTA)

この調査に注目する理由は、単に住みたい街のランキングを調査するだけではなく「穴場だと思う街(駅)ランキング」が取り上げられているからです。考え方としては、「交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある」ランキングということになります。そうしたポテンシャルの高いエリアでは、これから駅前の再開発が進んだりすれば、その街への評価、見方が変わってくるはずです。人気が高まり、資産価値の上昇などが期待できる可能性があるでしょう。

総合順位は低いが穴場として注目されるエリア

リクルートの調査における穴場と思う街(駅)のランキングは以下の図表にある通りです。上位に挙がった街(駅)のなかには、総合順位でもすでに上位にランクされる街(駅)があります。埼玉県の大宮や東京都の中野などがその典型でしょう。こうした総合順位でベスト50位までに入っているところは穴場としてのうまみには乏しいかもしれません。

そこで注目したいのが、総合順位で50位以下なのに穴場として上位に上がっているエリアです。例えば7位のJR山手線の駒込駅は総合順位が59位で、同じく7位のJR山手線の田端駅は、総合順位ではランク外となっています。また10位の川口駅は、総合ランキングで70位です。

穴場だと思う街(駅)ランキング

順位駅名総合順位
1位北千住(東京メトロ千代田線)20位
2位赤羽(JR京浜東北線)32位
3位和光市(東京メトロ有楽町線)33位
4位大宮(JR埼京線)4位
5位中野(JR中央線)14位
海老名(小田急小田原線)25位
7位 駒込(JR山手線)59位
田端(JR山手線)
9位池袋(JR山手線)11位
10位新宿(JR山手線)5位
川口(JR京浜東北線)70位
守谷(つくばエクスプレス)51位

※はランク外
(資料:リクルート住まいカンパニー『SUUMO住みたい街ランキング2019関東版』)

将来性が注目される駒込、田端、川口

駒込駅はJRの山手線と東京メトロ南北線の接続駅になっていて、山手線では池袋、新宿、渋谷、上野、東京駅などとダイレクトに直結し、南北線は飯田橋、永田町、六本木一丁目などにつながっています。この利便性の高さに加え、周辺には六義園などの緑に恵まれたエリアも多い傾向です。最近ではハイグレードなマンションの建設も進んでいます。

田端駅は、JR山手線と京浜東北線の分岐駅です。山手線で池袋、新宿、渋谷などの副都心に、京浜東北線で東京、品川、横浜、浦和や大宮方面に直結しています。交通アクセスに恵まれているわりには、駅前には大型商業施設や商店街、繁華街などがなく山手線の駅としては閑静な住宅地です。都心近くにありながら、静かな住環境を希望する人たちなどに注目されるようになっています。

一方、川口駅のある川口市は2019年1月1日時点で人口約60万人を擁する大都市の玄関口です。駅前には行政センター、文化センター、中央図書館などの行政施設が集積、百貨店や大型スーパーなどもあります。周辺には1998年竣工の当時日本一の高さ185メートルを誇った55階建て「エルザタワー 55」もあり、都心以外の超高層マンションのメッカともいるエリアです。埼玉県の最南端で、荒川を渡ればすぐ東京ですから、今後も注目度が高まるのではないでしょうか。

すでに人気のあるエリアは不動産価格も高騰している傾向があります。その点、高い利便性を持ちならが、「穴場」と思われてるエリアには投資対象として面白い物件があるかもしれませんので、チェックしてみてはいかがでしょうか。(提供:YANUSY

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