全国にはさまざまなテーマパークがありますが、実は不動産関係の施設もあります。古き良き日本の名建築を見学できる「江戸東京たてもの園」は、令和の時代に建築家を目指す人にとっても勉強になる施設です。本稿では「江戸東京たてもの園」の概要や見どころについて解説します。

「江戸東京たてもの園」とはどんな施設か

江戸東京たてもの園,施設
(画像=PIXTA)

「江戸東京たてもの園」は、江戸・東京の歴史的建物を移築・保存・展示する目的で都立小金井公園内に設置された野外博物館です。墨田区にある「東京都江戸東京博物館」の分館にあたります。全体は以下の3つのゾーンで構成されているのが特徴です。

・西ゾーン
武蔵野の農家と、山の手の住宅(山の手通り)を展示しています。

・センターゾーン
正面出入り口部分にビジターセンター(旧光華殿)があるほか、歴史的建築物が展示されています。展示室もビジターセンターの近くにあります。

・東ゾーン
下町中通りと命名された懐かしい下町の街並みが再現されています。下町中通りの突き当たりに「子宝湯」という銭湯があるのも風情を感じさせます。

施設の概要

まさに建物のテーマパークといえる「江戸東京たてもの園」ですが、施設の概要は次の通りです。

「江戸東京たてもの園」概要

・所在地
東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)

・連絡先
042-388-3300(代表)

・開園時間
4~9月:午前9時30分~午後5時30分
10~3月:午前9時30分~午後4時30分

・休園日
毎週月曜日(休日の場合はその翌日)、年末年始

・入園料
一般400円、65歳以上200円、大学生320円、高校生・中学生(都外)200円、中学生(都内在学または在住)・小学生・未就学児は無料。

名建築物に直接入場できるのが魅力

建物はどのように展示されているのでしょうか。例えば「東武ワールドスクエア」は世界の有名な建築物を25分の1スケールで展示していますが、こちらは原寸展示です。つまり名建築物に直接入場できるのが大きな魅力で、建築家を目指す人ならライブ感からインスピレーションが湧いてくるかもしれません。一部禁止指定のある建物を除けば、撮影も自由です。

そのため歴史愛好家やレトロマニアの人にはたまらない施設といえるでしょう。ただし見学マナーを守らなければいけないのは、言うまでもありません。おおむね庭園や芝生内に立ち入っての撮影は禁止されています。

見学できるおもな名建築

実際に見学できるおもな名建築物をピックアップしてみましょう。復元された建物が中心ですが、当時の雰囲気は十分に味わえます。

・常盤台写真場
1937(昭和12)年建築。2階が撮影スタジオですが、1階の古めかしい雰囲気と別世界になっているのが印象的です。当時のお客さんも驚いたことでしょう。

・八王子千人同心組頭の家
江戸後期建築。同心という言葉に、時代劇ファンなら心がときめくかもしれません。式台付きの玄関に格調の高さを感じます。江戸時代の名建築を見られるのは本当に貴重です。

・前川國男邸
1942(昭和17)年建築。日本の近代建築の発展に貢献した前川國男が自ら建てた自宅です。令和のいま建っていたとしても違和感がないほどモダンなデザインで、建築家を目指す方には見学必須の建物といえます。

・田園調布の家(大川邸)
1925(大正14)年建築。ファミリーレストランかと思うようなしゃれた外観で、当時としては珍しい全室洋間という設計になっています。これが大正時代に建てられたのは驚異的です。

・デ・ラランデ邸
1910(明治43)年ごろに建築されました。外国人建築家の仕事を学びたいなら外せないスポットです。ドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデによって作られた3階建ての名建築です。今でいうペンションのような外観を思わせます。

・高橋是清邸
1902(明治35)年建築。歴史上の人物の邸宅を見学できるのも貴重です。第7代日銀総裁、第20代内閣総理大臣などで有名な政治家高橋是清の邸宅はさすがに風格があります。

・会水庵
大正期ごろ建築。趣を変えて茶室を見学するのもよいでしょう。茶人、山岸宗住が建てた、本畳三枚、台目畳一枚からなる、三畳台目の茶室です。

・子宝湯
1929(昭和4)年建築。昭和まで当たり前にあった町中の銭湯で、おなじみの富士山のペンキ絵も見ることができます。有名な建築様式を用いた贅沢な造りですが、庶民には一番懐かしい建物かもしれません。

・万徳旅館
江戸時代末期~明治時代初期建築。青梅街道沿いにあった旅館で外観は創建当時、室内は旅館として営業していた1950(昭和25)年ごろの様子を復元しています。

「江戸東京たてもの園」は建築家志望の人にとってさまざまな歴史に残る名建築物をリアルに学ぶことが期待できる施設です。一方中高年にとっては懐かしさも味わえるスポットとなっています。そのため令和のいま訪れるには最適なテーマパークといえるのではないでしょうか。(提供:YANUSY

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