2019年9月9日8時時点に竹内典弘さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週5日(木)、日本の財務省が公開した「対外及び対内証券売買契約等の状況」からは、国内の機関投資家が8月第4週に、海外の中長期債を約1.5兆円買い越したことが判明している。この週の米ドル/円は、週初に104.45円の安値を示現、105円割れでは外債投資からの外貨買いが噴出していたことになる。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週イベントとしては、12日(木)のECB(欧州準備銀)理事会の政策判断とドラギ総裁の会見に注目が集まりそうだ。政策変更の内容として、預金ファシリティ金利の10bp(0.10%)以上の利下げが最有力視されているが、昨年12月に終了した量的緩和であるAPP(資産買入れプログラム)の再導入は、先送りされる可能性が高い。この2週間ほどを振り返っても、オランダ中銀のクノット総裁を筆頭に、ECB高官からAPPの再導入に否定的か見解が相次ぐ。預金ファシリティ金利も現行-0.40%までの深堀りが進行、先週末もドイツの2銀行から、収益の悪化を懸念する声明が発表されている。ダウンサイドでは上述のように相応の円売り需要もあり、ECBの政策変更が市場への満額回答とならない場合、一旦ユーロ/円は底入れの展開となるかもしれない。ボラティリティから換算する今週のレンジは、米ドル/円で105.80~107.80円、ユーロ/米ドルで1.0950~1.1150ドル、ユーロ/円で116.50~119.50円を予想している。

竹内典弘
1990年、カナダ系の銀行へ入行し為替ディーラーとなる。HSBCでは米ドル/円のチーフトレーダーを務めるなど20年以上にわたって為替市場の第一線で活躍。現在は個人トレーダーとして自己資金を運用するほか、twitter(@yen20pl)や西原宏一さんのメルマガを通じて情報配信を行なう。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。