2019年9月11日11時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日10日(火)のNY市場は、香港の高級英字紙SCMP(サウス・チャイナ・モーニング・ポスト)紙が米中合意の可能性について報道したことで、リスクオンの流れとなり、米ドル/円が107.60円レベルまで反発。報道の内容を要約すると中国側の提案として、対中制裁関税を遅らせる代わりに、米国品を購入し、ファーウェイへの制裁緩和を求めるようだ。このところの米中交渉に関しては、このSCMP紙を始めとした中国系の報道の方が信用できるイメージがあるため、米ドル/円の買い戻しが起こっている模様。もう一つ昨日10日(火)のNY市場で驚いたのが、ボルトン米大統領補佐官の突然の解任。ボルトン氏は北朝鮮やイラン、アフガニスタンに対して極めて強硬派であり、何度もポンペオ米国務長官と対立していた。ボルトン氏は対中強硬派ともいわれていたので、トランプ米大統領が今回の中国からの提案をのもうとしたことでボルトン氏がトランプ氏と対立していたのではという憶測も台頭。一昨日9日(月)のNY市場ではムニューシン米財務長官が、「米国と中国は貿易協議で大きく前進した」とフォックス・ビジネス(米国のケーブルのニュースチャンネル)でコメントしたという報道もあったので彼はこのことを指していた模様。

現在の為替相場の戦略やスタンス

先週から米中合意の公算、合意なき離脱の可能性の後退、香港のデモの一旦の沈静化などで、英ポンド/円を中心にクロス円の巻き戻しが続いている。明日12日(木)のECBの金融政策決定会合の結果を確認する必要があるが、ECBの緩和を必要以上に織り込んでいるユーロ/米ドルの押し目買い方針。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。