毎日、「ターニングポイントノート」に心情を曝け出そう
そこで、あやめ自分史センターでは2年前から、「ターニングポイントノート」の活用を勧めている。
「当センターが作成している『ターニングポイントノート』は、表紙を含めて16ページの冊子の形をしています。パンチ穴が開いていて、記入し終えたノートはどんどん束ねていけます。
中には、まず、今の自分の拠り所になる写真を1枚貼るページがあります。スマホの待ち受けにしている写真でもいいと思います。
学生の頃、クリアファイルに好きなアイドルや俳優、歌手などの写真を挟んで、いつでも見られるようにしていませんでしたか? 今、その写真を見ると、当時の自分のことが思い出されるでしょう。写真には、記憶を鮮やかに呼び覚ます力があります。
続いて、家系図や家紋、生まれてからの年表を記入するページがあります。そして、その年表を踏まえて、『これから、こうしたいな。こうなったらいいな』という改善点を書くページがあります」
さらに、「自分」「家族」「仕事」「社会」「時代」の各項目について目標設定を書くページ、目標達成の決意表明を書くページが続く。最後は、1日1回、目標に近づくために書き込む「日々是ターニングポイント」という欄だ。これらは、自分史を書くための一般的なシートやワークブックとは違う、大きな特徴だろう。
「『日々是ターニングポイント』に書く内容は、目標へと近づくポジティブなことのほうがいいですが、泣き言でも悲鳴でも罵声でもかまいません。事の経緯と今の心情を曝け出して書き残すことで、未来を切り拓く自分史ができていくのです。何冊も溜まったとき、読み返してみると、かけがえのない『航海日誌』や『羅針盤』になっているはずです」
この形式であれば、日報などに親しんでいるビジネスパーソンにとって、始めやすいのではないだろうか。もちろん、自分史には、子供などに自分がしてきたことを伝えるという使い方もある。自分のためにも、家族や友人などのためにも、自分史を始めてみてはいかがだろうか。
あやめ自分史センター
〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-14-12
TEL: 03-3947-2489
FAX: 03-3947-9347
菖蒲 亨(あやめ・とおる)
あやめ自分史センター館長
1962年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部露文専修卒。産経新聞東京本社販売局勤務後、家業である印刷物専門物流会社を継承。〔一社〕自分史活用推進協議会副理事長。自分史を活用する方々を支援するべく、2016年5月、東京・大塚にあやめ自分史センターを開館。翌年7月から同所が協議会本部に。ターニングポイントノート活用を提唱中。(『THE21オンライン』2019年08月15日 公開)
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