アパートや1棟マンションを経営しているオーナーにとって外壁塗装は重要なタスクです。今回は外壁塗装が重要な理由、塗り替え時期の目安、塗料の種類・業者の選び方などについて解説します。

外壁塗装を怠ると、稼働率低下や修繕費がかさむ原因に

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(画像=Oleksandr Berezko/Shutterstock.com)

同じ立地・建物でも外壁の状態で内見者の第一印象は大きく変わります。それにより契約率・稼働率が変わってくる可能性もありますが、実はそれだけではありません。外壁塗装を怠ると建物内部に雨水が侵入しやすくなります。この雨水が原因で、カビの大発生や構造の腐りに発展してしまうリスクがあるのです。こうなると修繕費がかさむだけでなく空室リスクを高める原因にもなります。

外壁塗装の時期:10~14年おきが理想 環境によっては早めの対処も

一般的に外壁塗装は10~14年おきが目安といわれます。外壁塗装は修繕の中でも費用がかかるため、長期修繕計画に沿って行うのが基本です。一方で外壁の傷みは次の要因で大きく左右されるため、傷みが激しい場合は早めの塗り替えという判断もありえます。

  • 塗料の種類
  • 職人の熟練度
  • 自然環境の厳しさ

外壁の傷みを判断する方法としては、次の3つの方法があります。

  • 目視でひび割れ・タイル落下・水漏れの痕跡などがないか確認する
  • 表面に小さな破損(ポップアウト)などがないかを確認する
  • 表面を手でこすり白い跡(チョーキング)がつかないかを確認する

上記のように明らかな壁の傷みがあるのであれば、そこから雨水が浸入している可能性があるため、早めの外壁塗装が必要です。

外壁塗装の時期:ターゲットによっても変わってくる

もう一つの外壁塗装の目安は、経営する収益物件のターゲットです。例えば賃料の安さで勝負しているアパートであれば、ポップアウトやチョーキング(前項参照)がないなら様子見をして投資額をなるべくセーブするといった判断もあるでしょう。また物件そのものへの好感度が高い入居者がターゲットで賃料も高めの設定であれば、こまめに外壁塗装をして見栄えがよい状態を保つのが得策という判断もできます。

外壁塗装の中身:要注意!価格が安い塗料は寿命が短い傾向も

外壁塗装の工程は、壁の材質によって変わってきます。例えばモルタル塗りでは、ひび割れの処理やコーキングの処理をした上で塗装するのが一般的です。また窯業系のサイディングでは、目地のシーリングの処理をした上で塗装をします。このように一口に外壁用の塗料といっても相当多くの種類があるのが特徴です。

主に使われるものだけで考えても価格が安い順に「アクリル樹脂塗料<ポリウレタン樹脂塗料<アクリルシリコン樹脂塗料<フッ素樹脂塗料」となり、一般的に価格が高いほど寿命が長くなるといわれています。安さ重視で見積もりを依頼するとコーキングやシーリングの処理を省かれたり、知らないうちに安い塗料を使われたりすることも少なくありません。

そのため複数の業者に相見積もりをとりながら外壁塗装の中身と価格を比較して発注するのが賢明です。

塗装業者の3つの選び方:管理会社経由ではなく自身で発注する方法も

業者の選び方には、次の3つの選択肢があります。

  1. 管理会社に紹介してもらう(管理会社に委託する)
  2. ネットや電話帳で探した近隣の業者へ依頼する
  3. 近所で施工している業者に依頼する

1の管理会社経由は、忙しいオーナー向けです。マージンが発生する分、高くなりますが手間が少なくすむでしょう。2の近隣業者への依頼は、相見積もりをとることでコストを抑えやすくなります。3の「近所で施工している業者に依頼する」はクオリティ重視のオーナー向けです。実際に近所で施工している塗装業者の仕事ぶりを観察して丁寧な作業工程を踏んでいる業者に依頼するといった進め方です。

塗装業者はたいていの場合、会社名(屋号)入りの車に乗っています。その会社に後日連絡して見積もりをとるのがスムーズでしょう。ここでの解説を参考にベストなタイミングでオーナーにとって最良の選択をしてください。(提供:YANUSY

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