生命保険には加入しているものの、見直しをしたほうがいいのか、そもそも保険は必要なのか、保険に対する疑問は一人で考えてもなかなか答えが出てこないものです。そこで、40代独身女性が保険を選ぶ際のコツや考え方をお伝えします。

40代ずっとお一人様予定。生命保険は必要?

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(画像=belozu/Shutterstock.com)

そもそも生命保険は何のためにかけるものなのでしょうか? 

例えば、死亡保険。これは、自分に万一のことがあった時に自分の財産以外にお金を残したい人がいる、残さないと困ってしまう人がいるからかけるものです。死亡保険が必要かどうか考える際は、そのような該当者がいるか、考えてみましょう。保険金が受け取れるのは、保険会社にもよりますが、基本的には2親等以内の血縁者です。内縁関係者でも受取人になれることがあります。

医療保険やガン保険は、医療費を補填するものですが、医療費が高額になった場合には、健康保険の高額療養費制度も利用できます。高額療養費制度は、支払った医療費が1ヵ月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度です。つまり、ある程度は国の制度で守られているのです。

健康保険の高額療養費制度の上限額は、年齢や収入によって異なります。厚生労働省保険局が出しているPDF「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成29年7月診療分まで)」によると、69歳以下の方で、年収が約370万〜約770万円 の場合は約8万円。さらに1年間に3回以上、高額療養費の支給を受けた場合は、4回目からは上限額が下がり、この年収のケースだと約4万円になります。

また、連続して3日以上休むと、4日目から最長1年半、給与の約3分の2の額が支給される傷病手当金の制度があります。生命保険は、公的な保障だけでは足りない場合に、プラスアルファするものなのです。

お一人様アラフォーが検討すべきは、どんな生命保険?

お一人様40代女性が最低限入っておくべき保険はあるのでしょうか? 保険の種類ごとにお伝えします。

・ 死亡保険
お金を残したい人がいるのであれば、保険は必要です。しかし、その金額を貯蓄でカバーできるのであれば、わざわざ保険でお金を残す必要はないでしょう。 もし、お金を残したい人が父母であれば、父母に遺族厚生年金が支給されるケースがあります。支給される条件は、死亡した本人が厚生年金に加入している、死亡者本人の収入で父母が生活をしていたなどの条件をクリアすれば、遺族厚生年金が支給されます。

・ 医療保険
健康保険組合によっては、独自の医療費補助制度があります。1ヵ月間で病院の窓口で支払った金額が2万円を超えると超えた金額に対して、補助金が出る等です。このような制度があれば、大きな病気になったとしても、自己負担額はかなり抑えられます。ご自身の加入している健康保険にこのような補助制度があるなら、医療保険は不要と言っても良いでしょう。

とはいえ、補助制度も高額療養費制度も、公的保険が適用される医療費のみが対象です。自由診療や入院時の差額ベッド代等は、公的保険対象外ですから、自己負担となります。自由診療については、後述するがん保険でお伝えしますが、入院期間が長期化すると、差額ベッド代の自己負担額は大きくなります。大部屋で過ごすことが苦手な方は、差額ベッド代を補填する程度の医療保険に加入しておくのが良いでしょう。

・ 女性向け保険
医療保険に加入する際に悩みがちなのが、女性向け保険にしたほうが良いのかという点です。女性向けの保険は、女性特有の病気になった時の保障が手厚い反面、保険料が高くなることがあります。とはいえ、その金額は月数百円程度と、それほど気にならない商品もありますから、保険料に差がないのであれば、女性向けの保険を選ぶと良いでしょう。

しかし、保険料が大きくアップするなら、考えものです。女性特有の病気になったからといって、特別に治療費がアップしたり、入院中の食事が豪華になって、食事代が高くなったりするわけではありません。よって、一般の医療保険でベッド代等、公的保険対象外部分をカバーできているのであれば、女性向けを選ぶ必要はないでしょう。

・ ガン保険
ガン治療には自由診療など健康保険対象外の医療費が高額になる治療あります。健康保険が適用されないと、いくら貯蓄をしていたとしても、あっという間にお金がなくなってしまいます。よって、公的制度でも貯蓄でもカバーできない治療の可能性があるガンは、保険で準備することが必要です。

・就業不能保険、所得補償保険
就業不能保険は生命保険、所得補償保険は損害保険ですが、どちらも働けなくなった時に、毎月給与のように保険金が受け取れる保険です。働けなくなると、給与の3分の2の金額が傷病手当金として支給されるとはいえ、傷病手当金から治療費と生活費を捻出すると、家計は苦しくなるかもしれません。また、1年半を超えたら? という心配もあります。稼ぐことができないということは、独身女性にとって大きな問題です。 就業不能保険や所得補償保険は、一般の保険会社で販売されていますが、お勤め先の団体保険で取り扱っていることもあります。まずは、自分の会社の団体保険を調べてみてください。

なお、健康保険組合によっては、傷病手当金に上乗せ給付があったり、傷病手当金支給終了後でも、さらに1年半支給を延長したりする健保があります。加入されている健康保険組合にこのような独自の制度があれば、就業不能保険も不要と言えるでしょう。

お一人様の保険は必要最低限で大丈夫

病気やケガで入院することになったとしても、公的社会保険制度で、ある程度カバーできます。お一人様の生命保険は、自分の身を守るだけの必要最低限で良いでしょう。とはいえ、具体的にどんな保障が必要かわからないということであれば、保険ショップなどに行くと、保険比較が可能です。相談してみてはいかがでしょうか。

文・前田菜緒(1級ファイナンシャルプランナー、FPオフィス And Asset)/fuelle

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