30代は結婚したり子どもができたり、守るべきものが増えて保険の加入を考える方も多くなる年代です。 そろそろ保険に入った方が良いのかなと考えている女性に向けて、生活スタイル別に無駄のない保険の入り方について解説します。

保険加入率は30代から急上昇する

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(画像=buritora/Shutterstock.com)

生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査(2016年)」によると、20代の保険加入率は男性58.2%、女性53.2%ですが、30代になると男性84.1%、女性81.3%まで急上昇し、その後60歳代までずっと80%以上の方が保険に加入しているという状態が続きます。

保険加入のきっかけとして「就職」「結婚」「出産」など自身のライフスタイルの変化や、身近な人の病気や死亡に直面したことを挙げる方も多いのですが、そういった機会が増え始めるのが30代ということでしょう。

保険加入を検討する時の基本的な考え方

保険を考えるときはまず、誰にどういう事態が起こったら困るのか、家族が抱えるリスクについて考えてみましょう。亡くなった場合、病気になった場合、働けない場合などいくつか挙げられるはずです。次に、その事態が発生したらいくらくらい必要になるのかを考えます。医療費、生活費、教育費、葬儀費用など、できるだけ具体的に計算してみましょう。

その金額から、その事態が発生したときにもらえるお金(傷病手当金や遺族年金などの社会保障)と貯金、その他用意できるお金を引いた差額分、つまり自力ではどうしても足りなくなりそうな分が、保険で用意しておくべき金額です。

もしものときに必要な金額すべてを保険でまかなおうとすると、保険料が高くなって日々の家計を圧迫してしまいます。だからといって保険に入らないのでは、何か起きたときにお金が足りず困窮してしまうかもしれません。その家庭ごとに異なる「ほどよいライン」を考えてみるのが、無駄もなく漏れもなく保険を用意するためのポイントです。

30代既婚女性の保険の選び方

どんな保険をどのくらい用意すればいいのかは、その家庭によって違います。貯金がしっかりできている方なら数十万円しか保障してくれない医療保険は不要かもしれません。幼いお子さんがたくさんいる方なら自分に万が一のことがあっても子ども達全員が一人前になるまでお金に困らず成長できるよう、死亡保険の金額を大きめに設定しておいた方が安心でしょう。お金に対する考え方にもよりますね。

ここでは、生活スタイル別に保険の選び方の例を紹介します。

夫婦共働きで子どもなしの場合

このパターンの方は独身時代と同じ保険の入り方でも問題ないことも多いようです。どちらかに何かあってももう片方が経済的に困ることがないくらいの収入や貯金があるなら、保険に加入していなくても問題ないでしょうし、もし加入するとしても最小限で済みます。

ただ、自営業の方は会社員の方に比べて社会保障が手薄なため要注意です。会社員なら、病気やケガで仕事を休んでも有給休暇や傷病手当金などがありますし、会社によっては月に負担する医療費の上限が実質2~3万円で済むなど国の基準より優しく設定されていることもあります。

自営業の方でも、医療費の自己負担が一定額(収入にもよるが10万円以下程度が目安)に抑えられる高額療養費制度や障害年金などの対象にはなります。しかし、それだけだと不安な場合は医療保険の入院日額を多めに設定したり、がん保険や就業不能保険(所得補償保険)に加入したりして備える方法も検討してみましょう。

共働きで子どもありの場合

子どもがいる場合、その子が一人前に成長して手を離れるまでの生活費や教育費が必要になります。子どもの人数や年齢(手が離れるまでの年数)を考慮して保障金額を決めると良いでしょう。子どもが大きくなるまでの期間限定で加入できる掛け捨ての死亡保険や収入保障保険を選べば、保険料を抑えつつ大きな保障を得ることができます。

専業主婦(主夫)で子どもなしの場合

働いて一家の収入を得ている方に何かあった場合、収入源を持たない方が急に働きに出て生活を成り立たせるのは難しいかも知れません。また、主に家事を担っている方が倒れた場合、それまでのように家の細々した用事を任せて仕事一筋でがんばるということが難しくなるかもしれません。加えて、子どもがいない場合、遺族基礎年金を受け取ることができません。

子どもがいる家庭ほど手厚くなくてもいいかもしれませんが、共働きの家庭よりは多めに、夫婦ともに死亡保障や医療保障を用意しておけると安心です。もちろん貯金が多ければ何とかなるかもしれませんが、一度検討してみましょう。

専業主婦(主夫)で子どもありの場合

守るべきものが多い=必要な保障額も大きい家庭です。何かあっても配偶者も子どもも困らずに済む用意をしておきたいところです。

遺族年金など、もらえるお金についても考慮しつつ、いくら用意すれば問題なさそうか計算してみましょう。家を購入した方は住宅ローンを組んだ時に団体信用生命保険に自動的に加入していることも多いので、そちらも計算に入れます。

共働き家庭同様、掛け捨ての死亡保険や収入保障保険なら保険料を抑えて必要額を用意できます。

30代に女性保険は必要?

医療保険の中には、女性特有の病気に対する保障が特に手厚くなっている保険もあります。若くして発症する方も少なくない子宮頸がんや乳がんなどの保障はもちろん、帝王切開や流産など妊娠・出産に伴う手術も対象になりますので、これから妊娠したいと考えている方は検討する余地があるでしょう。

貯金が少なく金銭的な不安が大きい若いうちのみ、特約で付けておき、のちのち見直して外すということもできます。

迷ったらプロに相談を

今まで保険に縁がなかった方にとっては、いろいろな種類の保険の中から自分に合うものを過不足なく選ぼうとすると、とても難しく感じるかも知れません。まずは自分で調べてみて、よくわからないなと思ったら人に聞くという選択肢もあります。

あまり保険に詳しくない人や保険をたくさん売りたいだけの人に相談してしまうと逆効果なので注意が必要ですが、この機会に信頼できるファイナンシャルプランナーなどプロを探して相談してみるのもよいでしょう。

保険は病気が見つかってからでは入れないこともありますし、早めに入った方が保険料も安いので、思い悩んで、どっち付かずの状態でいるよりは一度深く考えてスパッと決めてしまうのがおすすめですよ。

文・馬場愛梨(「貧困女子」脱出アドバイザー/ばばえりFP事務所 代表)/fuelle

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