2019年10月9日10時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

パウエルFRB議長は、最近見られた短期市場での混乱が再発しないよう、当局は米財務省証券の購入を再開すると表明。加えて、米財務省証券の購入は金融危機時に実施した量的緩和プログラムの復活と捉えるべきではないと強調。更に、成長減速は明らかだが、景気拡大が停止すると考える根拠はないとしている。次に注目が高まったのがトランプ政権が「米国から中国への資本流入を制限することについて協議している」とコメントしたこと。そして、トランプ政権が「中国・ウイグル自治区でのイスラム教徒の身柄拘束に関係する中国当局者への査証(ビザ)発給を制限する」と発表したことにマーケットは反応。米国務長官が「世紀の汚点」と呼ぶ問題を巡り、中国への圧力を強化した形。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米中貿易協議を控え、両国間の緊張が高まることに神経を尖らしていた米国株式投資家らの間には、入国制限のニュースを受けて動揺が広がり、S&Pは一時の高値から下落に転じている。総じて米国株は反落。NYダウは、2万6164ドルで313ドル安。結果、円とスイスフランは堅調推移。一方、来週のEUサミットを控えEU離脱をめぐる問題がエスカレート。ボリス英首相は、メルケル独首相に対し、離脱を巡る合意は「本質的に不可能だ」とコメントしたとの報道でポンドは続落。9月4日以来の安値となる1.2195ドルまで下落した。米中貿易協議、EUサミット、11日(金)の日経のSQ、本邦の3連休を控え、マーケットのボラティリティが徐々に上がってきた。個人的には米中は合意に至れないのではないかと想定しており、ヘッドラインに留意しながら、米ドル/円の戻り売り継続で臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。