マイホームを購入する際、不動産会社から提携先の住宅ローンを紹介されることが多いが、必ずしもそれを利用しなければならないわけではない。自分で探せば、より金利が低く、何かと使い勝手の良い住宅ローンが見つかるかもしれない。そこで、自分で住宅ローンを選ぶ際のポイントや、おすすめの会社を紹介しよう。

住宅ローンを借りる金融機関を選ぶポイント

住宅ローン,比較
(画像=PIXTA)

多くの金融機関が住宅ローンを提供しているが、最近は住宅ローン専門会社やネット銀行など、新たに住宅ローン市場に参入する企業も少なくない。競争が激化しているので、各社とも少しでも多くの客に利用してもらおうと、金利引き下げ競争を展開したり、新たなサービスを生み出したりしている。

それだけに、自分たちが利用できる住宅ローンにはどんなものがあるのかをしっかり調べて、少しでも有利なローンを利用し、賢くマイホームを取得したいところだ。

金利

住宅ローンを比較検討する際、最大のポイントとなるのは金利だろう。金利が低いほど、返済負担が軽くなり、同じ返済額ならより多くの資金を借り入れることができる。

住宅金融支援機構が行った、住宅ローンを利用してマイホームを取得した人を対象にした調査において、「住宅ローンを選んだ理由」のトップは「金利が低い」で、7割以上が回答している。2位の「住宅・販売事業者の勧め」は2割強なので、金利の低さが重要なファクターであることがよくわかる。

「超低金利時代だから、多少の金利差では結果は大して変わらない」と思っている人もいるだろう。しかし、決してそんなことはない。

・金利によっては900万円以上の差も
たとえば、3,000万円を35年元利均等・ボーナス返済なしで借りる場合、金利0.5%なら毎月返済額は7万7,875円だが、金利が1%になると8万4,685円に増え、2%では9万9,378円になる。0.5%と比べると、毎月1万5,000円以上負担が増えてしまうのだ。

金利が35年間変わらないと想定した場合、金利が0.5%なら35年間の総返済額は約3,271万円だが、2%だと約4,174万円になる。総返済額では、何と900万円以上の差が生まれるのだ。金利の重要性がおわかりいただけただろう。

金利別の返済額の違い
 設定条件:借入額3,000万円、35年元利均等・ボーナス返済なし
      完済まで金利が変わらない場合

金利 毎月返済額 年間返済額 総返済額 0.50%との差
0.50% 7万7,875円 93万4,500円 3,270万7,500円 ――
1.00% 8万4,685円 101万6,220円 3,556万7,700円 286万200円
1.50% 9万1,855円 110万2,260円 3,857万9,100円 587万1,600円
2.00% 9万9,378円 119万2,536円 4,173万8,760円 903万1,260円

審査の通りやすさ

金利だけてなく、さまざまな面で使い勝手も異なる。特に重要なのが、レスポンスの善し悪しだ。住宅ローンには審査がある。確実に返済してくれる人かどうか、金融機関は入念にチェックする。ローン事故を避けるため、審査にはある程度の時間がかかるものだが、最近はシステムの効率化や迅速化を図り、仮審査は即日回答という会社も増えている。

審査に何日もかかると、物件の売買契約に進めない。住宅ローンの審査に通ることが購入の前提になるケースがほとんどなので、手続きが遅れると他に購入希望者が現れて、物件を買えなくなってしまうこともありうる。よって、審査のスピードも重要なポイントと言えるだろう。

住宅ローンを選ぶ際の基準やポイントは?

住宅ローンの金利は低いほど返済負担が軽くなるだけに、金利の低さで住宅ローンを選ぶ人が多いことは先に触れた。しかし、金融機関の店頭やホームページなどに掲載されているのは「最優遇金利」であることがほとんどで、必ずしもすべての人がその金利でローンを利用できるわけではない。

表面金利だけでなく実質金利で評価する

店頭のポスターに「0.5%から」と書いてあったので、0.5%で利用できると思って申し込もうとしたら、「あなたの場合は0.7%です」と言われたケースがある。金融機関では、ローン申込者の条件によって適用金利を変えることがあるのだ。

ローンを貸す側は、申込者の勤務先が上場企業で、管理職で年収も高い人であれば、確実に返済してくれる可能性が高いと判断する。もちろん家計の状況はさまざまで、属性だけでは判断しきれない部分もあるが、一般論としては信用度が高いということなる。この場合、金融機関の最優遇金利が適用されることが多い。

・最優遇金利が適用されない人もいる
上記のような属性以外の場合はどうだろうか。年収や自己資金を勘案すると事故率が高いと見なされた場合は、最優遇金利が適用されず、金利は少し高くなる。このあたりの判断は、金融機関によって異なる。たとえば、自己資金に関しては返済能力さえあれば少なくてもかまわないとするところもあれば、額面のみで判断して金利を高く設定するところもある。

複数の金融機関にローンを申込む

審査にかかる日数が違ったり、その人の条件によって適用金利が異なったりすることがあるので、複数の金融機関にローンを申し込み、条件を比較することも有効と言える。申し込んだ日に返答があるところもあれば、数日かかるところもある。また、適用金利にも差が出てくるだろう。

そのような違いを比較検討し、自分はどの金融機関のローンを利用すべきかを判断するといいだろう。

リフォーム費用も含めて借り入れる

中古住宅を取得し、リフォームして住みたいと考えている人は、リフォーム費用の調達方法を確認しておく必要がある。手元にある程度現金があって、リフォーム費用はそれで賄うのであれば問題ないが、リフォーム資金もローンで調達したい場合は「リフォーム一体型ローン」のある金融機関を探す必要がある。

リフォームローンを単体で利用する場合、住宅ローンに比べると金利が高く、利用できる返済期間も短いことが多い。多くの場合、限度額は1,000万円で返済期間は10~15年となっている。金利も住宅ローンの0%台から1%前後に対し、リフォームローンは2~3%台であることが多い。

たとえば、中古住宅を購入しリフォームした費用500万円を10年返済、金利3.0%のローンで返済すると、毎月の返済額は4万8,280円になる。

・一体型なら負担が大幅に軽減される
購入する中古住宅が2,000万円で、35年返済の金利1.0%のローンなら、返済額は毎月5万6,457円。上記のリフォームローンと合わせると10万4,737円になる。それなら、3,000万円の新築住宅を35年返済、金利1.0%の住宅ローンで購入したほうが、毎月の返済額は8万4,685円で済む。中古を買ってリフォームするより、新築を買うほうが負担が軽くなるのだ。

この問題を解決するため、最近はリフォームローンも住宅ローンと同じ条件で一体的に借りられる「リフォーム一体型ローン」が増えている。

たとえば中古住宅が2,000万円、リフォーム費用500万円の合計2,500万円を、住宅ローンの条件である35年、金利1.0%で借りることができれば、毎月の返済額は7万571円で済む。これなら、安い中古住宅を買ってリフォームして住むメリットがあるだろう。中古住宅の購入を考えている人は、必ず押さえておきたいポイントだ。

住宅ローンを借りる際におすすめの金融機関

住宅ローンは、メガバンクや地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、JAバンクなどの金融機関のほか、最近は預金機能を持たない住宅ローン専門会社やネット銀行も提供している。それぞれに一長一短、得手不得手があるので、できるだけ多くの住宅ローンを調べて、その中から最も自分に合うものを見つけてほしい。

ジャパンネット銀行

ジャパンネット銀行はヤフーと三井住友銀行のグループ会社で、ネット上で住宅ローンの手続きができる。必要書類を郵送することになるが、原則的には来店することなく契約まで進められるので、忙しい人にはおすすめだ。金利は、変動金利型が0.415%とネット銀行の中でも低い水準で、事前審査に要する時間も短く、使い勝手が良さそうだ。

ARUHI

住宅金融専門会社で、主に住宅金融支援機構と民間提携の住宅ローンである「フラット35」を扱っている。フラット35の取扱い件数は、9年連続でトップだ。住宅金融専門会社の場合、提携している住宅メーカーなどを通して申し込むことが多く、営業所を持たないところが多いが、ARUHIは全国に営業所網を持ち、代理店も多いので、実店舗で相談しやすいことがメリットと言えるだろう。

じぶん銀行

じぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立されたインターネット銀行だ。店舗を持たないため、人件費などの経費負担が少なくて済むことから、金利が低いのが魅力だ。他のネット銀行と同様に、来店することなく契約を完結できることに加えて、がんになった場合に住宅ローン残高が半分になる、保証付き団体信用生命保険「がん50%保証団信」の保険料が無料というメリットもある。

三菱UFJ銀行

日本を代表するメガバンクの一つだが、近年はインターネット取引にも力を入れており、ネット上で住宅ローン契約を完結できるようになっている。全国に多くの店舗やATMを持つメリットを生かし、住宅ローンを契約するとATMの時間外手数料が月3回まで無料になるなどのサービスがある。

限度額や返済プランで金融機関を選ぼう

金利優先なら金利の低いインターネット銀行が有利だが、金利の低いローンは変動金利型が中心で、借入後に金利が上がると返済額が増えるリスクがあることに注意したい。

フラット35のように完済までの金利が確定している全期間固定金利型なら、返済額が変わらないので安心だが、金利はやや高くなる。このように一長一短があるので、それぞれの内容を正しく理解しておきたい。また、借入限度額や返済プランの充実度なども金融機関によって異なることも覚えておこう。

さまざまな条件を比較検討しながら、本当に自分に合う住宅ローンを見つけて、賢く利用してほしい。 

注目の金融機関の住宅ローンの金利と特徴
社名 最優遇金利 特徴
ジャパンネット銀行 変動金利型 0.415%
10年固定金利 0.580%
・契約手続きまでネットで完結できる
・事前審査は最短即日回答
ARUHI 変動金利型 0.900%
全期間固定金利 0.430%
・契約手続きまでネットで完結できる
・最短10日で契約完了
じぶん銀行 変動金利型 0.457%
10年固定金利 0.590%
・契約手続きまでネットで完結できる
・がん50%保障団信の保険料無料
三菱UFJ銀行 変動金利型 0.525%
3年固定金利 0.390%
10年固定金利 0.590%
・契約手続きまでネットで完結できる
・ATM時間外手数料が月3回まで無料

※金利は2019年9月現在