生命保険と一言で言っても販売されている保険商品は数多く、商品によりいろいろな保障がついている。この記事を読めば、生命保険や医療保険についてどのような種類のものがあり、どのような違いがあるのか詳しく知ることができる。

生命保険・医療保険とは?

生命保険,医療保険
(画像=PIXTA)

生命保険とは、自分たちが死亡したときや生きているときに病気やケガになったときなど、「もしも」のことが起きたときに、一時金や給付金として生活や家族を支えてくれる大事ものである。

保険商品ごとに被保険者が亡くなったときに保険金を受け取ることができる死亡保険や、病気やケガなどをした際に給付金として受け取ることができる医療保険、介護が必要になったときに給付金を受け取ることができる介護保険など、保障される内容の違いや、10年、20年間保障もしくは一生涯保障などの保障対象の期間での違いがある(詳細は後述)。

また、医療保険などを調べるとよく目にする先進医療という言葉をご存じだろうか。先進医療とは、厚生労働大臣が承認した先進性の高い医療技術のことである。医療技術ごとに適応症および実施する保険医療機関が特定されていて、その先進医療にかかる技術料については、公的医療保険制度の給付される対象にならないため全額が自己負担となる。

高額となる治療費を負担できず治療を受けれないという状態を避けるために、医療保険には、先進医療に対応したオプションや特約なども用意されているものがある。

生命保険は大きく分けて8種類

生命保険を分けると8種類に分類できる。各々にどのような特徴があるかを解説する。他との違いを何かを理解することが重要である。

定期保険

保障対象の期間が定まっている商品である。定期の特徴としては、終身に比べて期間が短くなるため(固定となる分)、保険料が安くなるので、保障をかけたい期間が短いほど定期のほうが得である。ただし、満期を迎えた際に生活環境や状況が変わり更新や延長を必要とすると、保険料が高くなるのがデメリットである。商品により更新や延長ができないものもあるので注意。また、定期保険は一般的に掛け捨てとなるため、満期を迎えたり途中解約してもお金が戻ってこない。

終身保険

定期とは違い、保障期間が一生涯続く。それ以外の特徴は、保障が不要になったときや、一時的にまとまったお金が必要になったときなど途中で解約すると解約返戻金を受け取れる。ただ、商品により解約する時期により解約返戻金がそれまでに払ってきた保険料の総額を下回る可能性があるので注意。また、保険料を払う期間を10年、15年、20年、一生涯、50〜70歳などと設定できるものがある。

定期付き終身保険

主契約は終身保障であり、特約として定期保険をプラスした保険である。一生涯において、ある期間だけ死亡の保障を手厚くしたり、医療保険を付加できる。付加できる定期保険や医療特約については、一定の年齢を迎えることにより更新ができない。終身と定期が組み合わさっているため、契約する際は、何の保障が終身で何の保障が定期なのか確認しておく必要がある。

1つの保険で終身や定期などとすべてのリスクを補うよりも複数の商品でリスクを補うほうがお得なときもあるので、悩んだり、わからないときはファイナンシャルプランナーや担当営業などと相談するのが良い。

収入保障保険

契約時に決めた保険期間中に被保険者が死亡したときや高度障害時に、その時点から満期まで毎月給与のように年金形式で保険金を受け取ることができる。収入保障保険は、掛け捨ての死亡保険という点では、定期保険と似ている。ただし、一定期間の収入保障を目的にしているため、時間の経過とともに受け取ることができる金額が減っていくので定期保険よりもさらに毎月支払う保険料が安くすむことが特徴である。保険料の安さ、残された家族のためという点で人気がある商品の1つである。

定期医療保険

医療の保障の対象期間が定まっている商品である。生命保険と同様に期間が定まっている分、保険料が安い。働き出したばかりの若いうちは、収入も少ないため高額な保険料を払うのは厳しい。しかし、いつ病気やケガになるかわからないというリスクはあるため、若いときには加入しやすい利点がある。満期を迎えるときに、自分の生活環境に合わせて保険内容を流動的に見直すことができるのも便利な点である。

終身医療保険

終身医療保険とは、医療保障が一生涯となる。かつ、最大の特徴の1つが保険料がそのままということだ。定期保険のように満期を迎えた際に、更新する場合は保険料があがるというようなことがない。若いうちに契約しておけば、若いうちの安い保険料のまま一生涯が保障されることになる。

ガン保険

ガン保険とは、ガン(悪性新生物や上皮内新生物 ※一部例外あり)の保障に特化している。前述の医療保険の対象は、病気全般やケガになるため、ガンになって入院したときは、医療保険の対象でもある。

保障される内容には、診断給付金、入院給付金、手術給付金、通院給付金がある。診断給付金とは、がんと診断されたときに受け取ることができる一時金。1回でまとめて受け取れるタイプと複数回に分けて受け取れるタイプがあるが、診断された段階で不安なとき一時金を受け取れるのはガン保険の特徴的な1つ。

入院給付金は、基本的には医療保険と同様に入院日数に応じて受け取ることが可能。医療保険と違う点は、一般的には1入院あたりの支払い日数や通算支払い日数の上限がない。入院が長引くといわれているガン治療において、これも利点である。手術給付金は、がん治療のための所定の手術を受けた際、手術の内容により入院給付金日額の10倍、20倍、40倍などが支払われる。実損填補型の保険の場合は、手術費用の実額をそのまま受け取ることができる。

通院給付金は、退院後にガン治療のために通院した場合、通院日数に応じて給付金が支払われる。保険によりガンによる入院が通院のみの治療でも支払いが行われるものがある。手術給付金と同様、実損填補型は通院費用の実額が補償される。

また、上記以外に先進医療特約や女性特約などがある。先進医療特約とは、ガン治療にあたり先進医療による治療を受ける際、先進医療にかかる技術料の自己負担額と同額(一般的には2,000万までが多い)の給付金が受け取れる。先進医療特約については、特約ではなく主契約に含まれている場合もある。

女性特約とは、女性特有の乳房や子宮ガンに対して保障(乳房観血切除術、子宮全摘出手術、卵巣全摘出手術、術後の乳房再建術を受けた際に一時金を受け取れるなど)を手厚くするものである。所定の手術を受けた際に給付金や一時金が受け取れる。女性特約については、各商品により保障内容に違いがあるため、よく確認することが重要である。

近年では、抗がん剤、ホルモン剤、放射線などの各種治療を受けることにより給付金を受け取れる保険やガンのステージにより給付金額が変わる保険などもある。また、ある程度進行しているガンや上皮内進生物(基底膜でとどまり、その時点では転移の可能性がないもの)で給付内容が異なる商品があるので注意が必要である。ホームページや商品カタログを見ても違いが分かりづらい場合は、担当営業の方などに相談することをオススメする。

所得補償保険

所得補償保険とは、被保険者が病気やケガで入院や通院もしくは自宅療養で働くことができないときに、収入に対して最大で60%ほどが補償され、一定期間(一般的には1年〜5年、最大60歳まで)毎月一定の金額を受け取ることができる。また、保険期間中に保険金の支払いができないとき、保険金の一部が戻ってくる場合もある。

気をつけてほしいのが、前述の収入保障保険とは言葉は似ているが内容がまったく別である点だ。所得補償保険とは、会社員や自営業者である被保険者が病気やケガとなり働けなくなった場合、収入減を補うものであり、収入保障保険とは、会社員や自営業者である被保険者が死亡や高度障害になったときに、残されてしまった家族の生活費を補うものとなる。どちらも収入に関するものではあるが、目的が異なるので、自分の環境にはどちらが適しているかを考えるべきである。

自分に合った医療保険・生命保険選びを!

生命保険にはどのような種類があるのか、違いや最新のおすすめ医療保険について紹介した。数多くの保険から自分にあった保険を選ぶ方法は、自分の生活環境において、今後どのようなリスクがあるのか考えることがまず重要である。そのリスクを少しでも補える保険を選ぶことが自分に一番あった保険選びとなる。