英国のEU離脱、相次ぐテロやデモ、気候変動――世界中が不穏な空気で満ちている近年、地理的な環境が国家に与える政治的・経済的・社会的な影響を、マクロ的な視点に基づいて研究する「ジオポリティクス(地政学)」が注目を集めている。

投資家は、金融市場に多大なる影響を与えるジオポリティクス・リスクに迅速に対応し、ポートフォリオを保護すると同時に着実に育てる戦略を立てる必要がある。

古代ギリシャ時代から受け継がれているジオポリティクス

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(画像=posteriori/shutterstock.com,ZUU online)

「地政学」というと複雑で堅苦しいイメージがあるが、分かりやすく説明すると、地理的特徴や環境を分析することで、政治や経済、ビジネス、社会など、広範囲で起こりうるポジティブあるいはネガティブな変化を予測することを目的とする学問だ。

ジオポリティクス(Geopolitics)という造語は、20世紀への変わり目に、スウェーデンの政治学者ルドルフ・チェーレン氏が発案し、第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて(1918〜39年ごろ)世界中に広まった。現在は、国際政治の広い意味での同義語として使われることも多い。

地理による政治的影響――特に気候や地形、耕作地などに関する議論は、少なくとも古代ギリシャ時代から西洋で行われており、「万学の祖」の異名を持つアリストテレス(紀元前384~紀元前322年)や、「三権分立論」の提唱者であるモンテスキュー(1689〜1755年)といった哲学者の著作でも取り上げられている。

早めの回避策に役立つ「ジオポリティクス・リスク指数」

金融市場は、世界情勢に素早く反応するため、市場を動かす「何か」が起きてから、行動を起こすのでは遅過ぎる。投資家は、特定の国・地域が直面している問題に起因する、潜在的なジオポリティクス・リスクを知ることで、回避策を講じ、迅速に対応しなければならない。

日頃から、あらゆる情報源を利用しアンテナを張っておくことは重要だが、ジオポリティクス・リスクの指針の一つとして、「ジオポリティクス・リスク指数(GPR)」を活用するという手もある。