贈与税と相続税を比較する
親族間で財産の譲渡があった際に、課税されるのが「贈与税」です。これは渡す、受け取る両方とも生存していることが条件であり、「相続税」は死亡した人から財産を受け取る際に課税されます。ただし、人の死は突然起こりうるため、贈与のつもりが相続財産になってしまうケースがよくあります。ですから、税対策は常時適齢期と考えましょう。
入り口(贈与)で払うか、出口(相続)で払うか
入り口で払うか、出口で払うか‥これは課税対象額以上もの資産を保有する人にとって、頭の痛い問題でしょう。入り口とは「生前贈与」、つまり生きているうちに名義を変えて贈与してしまうことです。これに対し、出口とは「相続」を意味します。つまり、死亡した親の遺産を貰い受けることなのです。
日本の税は「申告制」です。ですから、通常「生前贈与を受けました」などと税務署に自ら申告し、贈与税を納税する人は皆無です。ところが、実際に遺産を相続することになり、超累進課税である「相続税」の高さに驚愕して、「生前贈与で貰ったほうが、税金は安かった‥」などとがっかりする人が少なくありません。つまり、先に払うか後で払うかは、人によっては大変な「死活問題」なのです。
そもそも贈与税の控除額は年間110万円。渡す方はひとりにつき110万円まで無税ですから、渡される数が多ければその分「無傷」で財産が残せます。これに対し、相続税は基礎控除が5000万円+1000万円×相続人の数、です。ところが、平成27年からは3000万円+600万円×相続人の数に「改正」されますので、「平成26年12月31日」までに相続が発生するか否かで相続税が大きく変わってくるのです。
【参考】
相続税改正vol1 基礎控除の引き下げが中間所得者層に与える影響
相続税改正vol2~基礎控除の引き下げが富裕層に与える影響~
平成27年1月1日から。相続税改正におけるポイントまとめ