がんは誰にでも罹患するリスクがあります。国立がん研究センターの統計によると、日本人の「生涯がん罹患リスク」は男性で62%、女性47%でほぼ2人に1人の割合となります。ちなみに、現在40歳の男性が10年以内にがんに罹患する確率は2%、20年以内では7%、30年以内20%、40年以内41%で加齢とともにそのリスクは高まります。

私のFP事務所でも「がんへの備え」に関する相談は多く寄せられるのですが、相談者の中には「がんの治療には莫大なお金がかかるのでは?」と心配される人も少なくありません。一般的にがんの治療費の自己負担は、高額療養費制度があるのでそれほどかかりません。ただ、がんの治療に専念するために仕事を辞めるとなれば、収入が大幅に減少するリスクが高まります。特に高額所得者は子どもの教育費や住宅ローン等もそれなりに大きなものとなっているケースが多く、収入減は想像以上の痛手となる可能性も否定できません。

がんへの備えといえば「がん保険」をイメージする人も多いことと思います。しかし、富裕層や高額所得者であれば、それ以外にも「がんのリスクを最小限にする」方法があります。今回はそんな「健康のリスク対策」についてお届けします。

がん保険で備えるなら「自由診療タイプ」がお勧め

富裕層,保険
(画像=VisualGeneration / shutterstock, ZUU online)

がんの治療費も他の病気と同様、健康保健があるので自己負担は3割で済みます。高額療養費については、標準月額報酬が83万円以上の高額所得者でも月額で27万円以上はかかりません。

ただし、がんの治療には健康保健では対応できない「自由診療」もあります。「自由診療」は全額負担となるので経済的リスクが一気に跳ね上がります。がん保険にはこうした「自由診療」に対応したタイプもあり、高額な医療費のリスクに備えることが可能です。もしものとき、納得した充分な治療を考えるのなら「自由診療」タイプの保険がお勧めです。

また、先に述べた通り、がんの治療に専念するために仕事を辞めるとなれば、収入が大幅に減少するリスクも高まります。特に高額所得者は子どもの教育費や住宅ローン等もそれなりに大きなものとなっているケースが多いうえ、企業経営者の場合は業績に大きな影響を及ぼすことにもなりかねません。こうしたリスクに備えるための選択肢の一つとして、がん保険は心強い味方となります。

とはいえ、がん保険はあくまで「がんと診断された後」のお金に対するリスクヘッジでしかありません。どんなに素晴らしい保険商品でも、辛い闘病生活や死への不安などを軽減することはできないのです。

保険以外で「がん」のリスクに対応する方法