2019年11月22日9時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日21日(木)の米国株市場は反落。米中貿易協議の先行きを巡り前向きな報道がある一方で、懸念するヘッドラインも多く、投資家の慎重なスタンスが拡がった展開。前向きな報道としては、米中が合意に達するのが難しくても、12月15日に米国が予定している中国製品への新たな関税発動は、少なくとも延期される公算が高いとの記事(サウスチャイナ・モーニングポスト紙)だ。懸念材料は、トランプ米大統領が香港人権法案に昨日NY時間21日(木)にもサインする可能性があった事。個人的には仮にトランプ米大統領が拒否しても、上院でまた可決されるだけなので、トランプ氏はサインすると想定している。ただ仮に上院で再び可決されるのがわかっていても、中国側に配慮してサインしないという可能性もゼロではない。NYダウは2万7765ドルでクローズ(-0.2%)、日経平均先物(CME)は2万3085円で終了。日経平均先物は日銀期待で買い戻しが活発化し、2万3000円台で引けているが、週末を控え本日22日(金)2万3000円台をサポートできるかどうかがポイント。

現在の為替相場の戦略やスタンス

英ポンド/米ドルは1.3000ドルを回復できずに反落。高値は1.2970ドル。英最大野党・労働党のコービン党首が、主要政党として過去40年間で最も急進的なマニフェスト(政権公約)を打ち出したことが材料視されたとの報道が目立つ。確かにこの報道が影響したのかもしれないが、今回も節目の1.3000ドル台の回復に失敗し、反落した形。1.3000ドルのオプションは昨日21日(木)に消滅しており続伸するチャンスは拡大していると思うのだが、一部のマーケット関係者は1.3000ドル超えにバリアがあるのではないかとの指摘も。昨日21日(木)の欧米市場は英ポンド/米ドルが反落したことで、主要通貨は総じてドルが買い戻されている展開。ただ、隠れQEの影響もあり、中期のドル安トレンドは変わらず。ユーロキャリーの巻き戻しという見方も増えている中、ユーロ/米ドルの押し目買いスタンス。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。