2019年9月10日、毎年恒例のiPhone新製品が発表されました。デュアルカメラを備え、6.1インチディスプレイの「iPhone 11」、トリプルカメラを搭載した「iPhone 11 Pro」(5.8インチ)と「iPhone 11 Pro Max」(6.5インチ)をラインアップ。合計3モデルをリリースしました。

特徴的なのはiPhone Proに搭載されたトリプルカメラ。超広角と広角のデュアルカメラに加え、光学2倍の望遠レンズを搭載し、アップル自ら「プロレベルのカメラ体験」と表現するほど、完成度の高い仕上がりになっています。

カメラの高性能化という付加価値を提供した新iPhoneですが、以前に比べると人気ぶりは落ち着いてきているようです。発売日には携帯電話キャリアの店頭やアップルストアに新製品をいち早く手に入れようと行列ができましたが、その人数も以前ほどではありませんし、テレビなどでの露出も少なくなりました。

その原因は、端末の高価格化により買い替えのペースが長くなっていること、Android端末人気が高まってきていることなどが考えられますが、以前ほどiPhoneに魅力を感じなくなったというユーザー離れもあるかもしれません。

この傾向はグローバルで見ても顕著です。IDCが4月に発表したスマートフォンの出荷台数別シェアは、前年度から30.2%減少。サムスン、ファーウェイに続く3位となりました。中国市場におけるiPhoneシェアの拡大が鍵と言われていますが、ファーウェイ人気が根強い中国で、大きく市場を拡大させるには、時間がかかりそうです。

コンテンツビジネスはアップルにとっての次の一手となるか

アップル,戦略
(画像=Lester Balajadia/Shutterstock.com)

iPhoneというハードの人気に陰りが見えはじめたアップルが、次のビジネスチャンスとして取り組んでいるのがコンテンツビジネスです。iPhoneの発表にあわせ、アップルでは動画配信サービスの「Apple TV+」とゲームのサブスクリプションサービス「Apple Arcade」をリリースしました。

Apple TV+は月額600円で利用でき、同様の映像配信サービスの中では最安値クラス。提供するコンテンツがすべてオリジナル作品という点もユニークです。9月10日以降にiPhone、iPad、Apple TV、Mac、iPod touchを購入した人は、Apple TV+を1年間無料で視聴できるサービスも実施し、ハードとの相乗効果も狙います。

一方、Apple Arcadeは、月額600円で100を超えるゲームに無制限にアクセスできるというもの。オフラインでもプレイできるほか、1つのサブスクリプションで家族が最大6人までアクセスできます。

ただし、これらのコンテンツサービスは先行している競合も多く、アップルがどこまで存在感を示せるのかは未知数です。特に映像配信サービスは、Netflix、Hulu、Amazonプライム・ビデオといった人気サービスに加え、U-NEXT、dTVといった国内サービス、FODなど各テレビ局独自サービスなども登場しており、日本においてはすでにサービスは過密状態。どれだけ人気を獲得するオリジナルコンテンツを用意できるかに注目が集まります。

アップル同様にハードに加え、コンテンツビジネスを展開し、好調に推移している前例もあります。それがソニーです。クールなハードを続々とリリースして人気を集めたソニーは、ゲームのオンラインサービス「PlayStation Plus」が好調で、今や屋台骨とも言われるゲームビジネスの売上を大きく押し上げるまでに成長しています。

この好調の裏には、ハードとソフトの両面と取り扱っているからこそのノウハウが隠されているように思えます。魅力なハードメーカーとして市場をリードしてきたアップルが、コンテンツビジネスでどこまで人気を得ることができるのか。ソニーのようにコンテンツビジネスを成功させられるのか、今後の動向を見守りたいところです。(提供:JPRIME


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