2019年12月11日12時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

明日12日(木)に日付が変わった日本時間早朝4時00分にFOMCがある。今週はそれに始まり、ECBに13日(金)の英総選挙、さらには15日(日)に発動期限を迎える対中報復関税第4段とリスクイベントを控えて神経質な展開だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

戦略としてはリスクイベントを控えているため、結果次第でどちらにでも動けるようにポジションはスクエアにして柔軟スタンスで臨みたい。まず、FOMCだが、金融政策は据え置きが確実視されており、注目は金利見通しを示す「ドットプロット」だ。前回の発表時点で来年の金利見通しの中心値は追加利下げなしだったが、FOMCメンバーの見通しは分かれており、中心値が利下げに傾くようであれば、米長期金利の低下からドル売りが強まる場面が考えられる。また、パウエルFRB議長の記者会見も同様に来年の追加利下げが示唆されるか否かだろう。一方、現地時間明日12日(木)に実施される英総選挙は再び不透明感が漂っている。本日11日(水)朝に発表されたユーガブの世論調査では保守党が前回調査の359議席から339議席と20議席減少しており、確実視されていた過半数の320議席獲得には疑問が残る結果となっている。保守党が過半数を獲得するにしても薄氷の勝利ではマーケットの織り込み具合を考えるとセル・ザ・ファクト的な値動きも予想される。また、テールリスクはダウンサイドにあり、今回の選挙でハング・パーラメント(どの政党も過半数を獲得していない状態)となれば英ポンド/米ドルなどで、300~400pips程度の下落があることも頭の片隅には入れておきたい。最後に15日(日)が期限の対中制裁関税第4弾だが、ヘッドラインが二転三転しており、予断を許さない展開だ。マーケットのコンセンサスは対中制裁関税「発動延期」のようなので英選挙同様にテールリスクはダウンサイドになる。どちらにせよボラティリティ上昇するイベントを控えており、資金管理、ポジションサイズには細心の注意を払っていきたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。