来年令和2年は、『日本書紀』の編纂から1300年にあたります。日本書紀は、神代から持統天皇11年(697)までを記した歴史書。舎人親王(676〜735)が中心となって約39年かけて編纂し、養老4年(720)、元正天皇へ奏上されました。
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『日本書紀』に書かれている神話は、私たちにも馴染み深いものも存在しますが、『日本書紀』は、その時期勢力を持っていた、東アジアに通用する正史を編纂する目的で作られたと言われています。

次にどのような役割を持っていたのか詳しく紹介します。

古代日本の成立において大きな役割を担った出雲と大和

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(画像=PIXTA)

国譲り神話によると、出雲大社に鎮座するオオクニヌシは「幽」といい、いわゆる神々や祭祀の世界を司るとされており、その一方で、天皇は「顕」、私たちが生きているこの現実世界と、政治の世界を司るといわれています。

その「幽」と「顕」を象徴する地である出雲の国と大和の国、今で言うところの島根県と奈良県が、上野の東京国立博物館と共同で、展覧会「日本書紀成立1300年 特別展『出雲と大和』」を開催します。開催期間は2020年1月15日から3月8日です。通常では、見ることができない貴重な考古資料群を展示しています。

次に、古代日本の流れとその特徴に迫ります。

貴重な出土品の数々に出会える

本展の展示構成は、大きく4つに分かれています。

第1章の目玉のひとつが、中世までは48メートルもの高さを誇ったという出雲大社の本殿を支えた宇豆柱(うづばしら)の実物。2000年に出雲大社境内から発見されたものです。3本で1組になっており、束ねた直径は約3メートルにも及びます。

このほか、鎌倉時代の手箱を代表する優品「秋野鹿蒔絵手箱(あきのしかまきえてばこ)」、応仁元年(1467)の遷宮の際に、八代将軍足利義政が寄進し、六代将軍義教が着用したとされる「赤糸威肩白鎧(あかいとおどしかたじろよろい)」などが展示されます。

続く第2章は、弥生時代の祭祀に用いられた品々の移り変わりを通じて、出雲における古代祭祀の源流を探ります。1996年に本邦最多となる39個が一気に出土した加茂岩倉遺跡の銅鐸。今回はこのうちの30個が出展されます。中には、鹿・海亀などの絵や特殊な文様をもつものなど、他ではあまり見られない独自色の強い銅鐸も含まれます。また、荒神谷(こうじんだに)遺跡からも計189品の銅剣、銅鐸、銅矛を出展。全てが国宝に指定されており、これだけの数が東京で見られるのは、およそ20年ぶりとなります。

第3章は、政治や権力の中心となっていく大和が舞台です。埴輪や副葬品にみる古墳時代の多彩な造形が豊かに展開するさまをたどりつつ、大和王権の成立の背景に迫ります。黒塚古墳から出土した画文帯神獣鏡1面と三角縁神獣鏡33面を全点展示。さらに、石上(いそのかみ)神宮に伝わる宝剣「七支刀(しちしとう)」も出展されます。左右の3つずつの枝刃と、本体の刃先を合わせて7つの枝があるように見える刀剣は唯一無二。日本史の一級史料となりえるものです。

歴史が織りなす造形美に触れる

第4章は、大和が新たに伝来した仏教を背景に、飛鳥・奈良時代の文化を形成、国の安泰と人々の生活の安寧を願って誕生した造形の数々が展示されます。見どころは王権の中心であった三輪山の麓に佇む石位寺に伝わる石仏「浮彫伝薬師三尊像」。寺外での公開は初となります。奈良時代以前の石仏は非常に珍しく、風化せずにここまで残ったのはほぼ奇跡。鋭い彫り口や、わずかに残る彩色などの細部にも注目したいものです。

オリンピック・パラリンピック開催もひかえ、国内外から注目が集まる2020年。本展は、日本の成り立ちについて、日本人が改めて考えるきっかけとなると同時に、海外の方にも知ってもらう絶好の機会となることでしょう。(提供:JPRIME


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