来年2020年は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックです。開催が近づくにつれますます活気づいていますが、2020年には美術の世界でも見逃せない展覧会が企画されています。

力とともにあった芸術の歴史を振り返る

豪華美術館
(画像=Anton_Ivanov/Shutterstock.com)

1つめは、東京都美術館で開催される「ボストン美術館展 芸術×力」です。

1870年、ボストン美術館はボストン市民をはじめとする有志によって設立され、アメリカの独立100周年記念日(1876年)に開館しました。古代エジプト、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの美術をはじめ、古代から現代までを収集した作品の質の高さ幅広さは、まるで百科事典のようです。開館当初は約6,000点だったコレクションが、現在では50万点に届くほどで、毎年およそ120万人もの人が来館しています。

権力者たちは昔から、洋の東西を問わずその力を誇示し、維持するために芸術を利用してきました。そして、威厳ある肖像画や、美しい工芸品で自らの宮廷を装飾してきたのです。今回は、ボストン美術館に収蔵のエジプト、ヨーロッパ、インド、中国、日本など、各地域で生み出された約60点の作品を通して、権力者たちの力とともにあった芸術の歴史を振り返る展覧会です。

一番の見どころは、同時に出展される《吉備大臣入唐絵巻》と《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》。いずれも日本にあれば国宝級の貴重な作品です。さらに、江戸時代の伊勢・長島藩の藩主であり、書画に長けた文人大名、「雪斎」の号でも知られる増山雪斎の作品も、今回修復を経て初の里帰りとなります。

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2つめは、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」です。

1824年創立のロンドン・ナショナル・ギャラリーは、幅広い地域と時代のヨーロッパ絵画を網羅しています。ラファエロ、モネ、セザンヌ、ゴッホやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ティツィアーノ、 ルーベンス、ベラスケス、ターナーなど、13〜20世紀の名品約2,300点を所蔵しています。

年間の入場者は500〜600万人超、世界の美術館・博物館でもトップ10に入ります。その約200年の歴史史上初となる館外での大規模な所蔵作品展が2020年、東京の国立西洋美術館と、大阪の国立国際美術館で開催を迎えます。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、作品の貸出には大変厳しく、これまで館外での所蔵作品展には首を縦に振りませんでした。今回は世界初のイギリス国外におけるコレクション展です。同館所蔵のイタリア・ルネサンスから20世紀までの幅広い時代とジャンルに及ぶ西洋絵画全61点が、イギリスとヨーロッパ大陸の美術における相互関係や、イギリスにおける大陸の美術の収集という観点に基づき一挙に公開されます。同国で築かれた汎ヨーロッパ的なコレクションとして、同館の特質に光をあてる内容が予定されています。

中でも注目はゴッホの代表作《ひまわり》です。ゴッホは南フランスのアルルで、7点のひまわりの絵を描いていますが、 そのうちの4点目にあたる作品が今回の出展です。このほか、クロード・モネ《睡蓮の池》、ヨハネス・フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》、フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》、レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《34歳の自画像》、レンブラント《34 歳の自画像》など、名画約61点を生で味わうことができます。

思い思いに名品を楽しむ

「美術展を観てもよくわからないから」と敬遠する人もいますが、芸術の感じ方や理解に正解はありません。作品から醸される時代の息吹と作家の魂を感じながら、ゆっくり作品を堪能すれば、それで十分。名だたる名品を国内で鑑賞できるまたとない機会です。ぜひ足を運んでみましょう。(提供:JPRIME


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