アポイントは「1カ月先」に入れよう

アポイントに関して、私がこだわってきたポイントは大きく2つあります。1つは、どの程度先までアポイントを入れるか、ということ。もう1つは、アポイントの相手は誰か、ということです。

まず、前者についてですが、私は必ず1か月先のアポイントまで入れるようにしてきました。アポイントに臨むにあたって、それくらいの準備期間が必要だからです。

たとえば、建設関係の会社の経営者とのアポイントを入れたとしましょう。ほとんど何も下調べをしないまま丸腰でアポイントに臨むような営業マンは論外ですが、ふつうはその日の展開を考えて資料を準備し、雑談にも応じられるように建設業界の動向なども調べていくはずです。しかし、私はそれでも準備不足だと思います。

私なら、その経営者との2回目、3回目のアポイントまで想定してから初回のアポイントに臨みます。そして、自分の人脈のなかから建設業界に詳しそうな人をリストアップして、紹介すべき人がいれば、何回目のアポイントで会ってもらうかを考える。次回以降のアポイントをどのタイミングで入れるべきかも、ある程度、考えておきます。

経験が浅い人ほど「数」にこだわるべき

もちろん、相手のあることですから私の想定通りにならない場合もありますが、営業には一種のストーリーが必要です。アポイントのたびに毎回、出たとこ勝負で商談するのではなく、ある程度の期間を視野に入れたストーリーを描いて、お客様との商談に臨むべきです。商談の展開に振り回されて、対応が後手に回りかねないからです。

1か月先までびっしりアポイントを入れてしまうと、予想外の事態に対応できないと心配する人もいるかもしれませんが、緊急時には緊急時なりの行動ができるものです。

そう割り切って、お客様とのアポイントに向けて誠心誠意、準備するべきでしょう。

お客様に対しての「アポイントの数」×「打率」×「単価」が営業マンの成果となります。すなわち経験が浅い人でも数を増やせるのはアポイントの数だけになりますが、この計算式を、とくに成長過程にある人は常に意識していただきたいと思います。