トップ営業マンには「理由」がある
「生保・損保2冠王」の伝説の営業マンと呼ばれる一戸敏氏。経験ゼロでいきなり営業の世界に飛び込んだにもかかわらず、またたくまにトップ営業マンになり、現在では300人規模の会社を率いる経営者でもある。そんな氏の著書『あの営業マンが選ばれる「本当の理由」』から、今すぐ役立つ営業の極意を紹介する。
営業の「神様」からのご宣託
保険業界には、1週間に15件のアポイントを入れ続けることが好業績につながるという説があります。なぜ15件なのか、他業界の営業マンには理解しにくいかもしれませんが、これにははっきりとした根拠があります。「神様」がそう言ったからです。
その「神様」とはトニー・ゴードンという人物で、保険業界では知らない人はいないとされる伝説の営業マンです。彼が自身の成功の秘訣として挙げたのが「1週間に15件のアポイント」という数字だったわけです。保険業界で働くようになって、私も神様のご託宣を信じてみようと思い、頑張って実践してみました。
アポイントは件数だけでなく「質」も大事
ところが、まずまずの成績にはなったものの、彼には遠く及びません。当然ながら、彼と当時の私ではアポイントの質が違っていたからです。そこで、こんどは彼の営業スタイルを研究し、徹底的に真似てみようと考えました。彼と同じことをすれば、彼と同じ成績を残すことができるはずだと考えたわけです。
そうして私は、彼を成功のモデルケースの1つとして、その営業スタイルや思考法をベンチマークとするようになりました。彼に近づこうと自分なりに工夫してきたことが、結果として、その後の私の実績につながったのだと思います。
今回は、そうした経験を通じて得たアポイントについての考え方をお話しします。