(本記事は、へんみ ゆかり氏の著書『知識ゼロでも美味しいにたどり着くハッピーワイン選び』セルバ出版の中から一部を抜粋・編集しています)

ワイン
(画像=PIXTA)

お店でのワイン探しミチシルベ
80点が狙える!「里名」や「重さ」はどこで見ればいい


エチケット(ワインの表ラベル)ではなく、ワインの裏ラベル、価格札内の情報、商品説明POPで確認しよう。

ワインのエチケットには、沢山の情報がありそうな気配を感じますよね。しかし、これを理解できるようにするためには、ブドウ品種名、地域名など、その他にも沢山のワイン専門知識を暗記しなければならないため、もっと気軽に楽しみながらワインを探したい私たちは、次で確認しましょう。お店で、ワイン選びを進め、ある程度ワインが絞られたとき、最終的決断を下す後押しをしてくれますよ♪

ワイン探しミチシルベ
・ワインの裏ラベル
・価格札内の情報
・商品説明POP

これらには、特別な専門用語が書かれることもありますが、基本は一般の消費者が読んで理解できる言葉で書かれます。実際にどのようなことが書かれているのか?

見てみましょう。

ワインの裏の日本語ラベル

基本的にワイン輸入会社によって作成されます。最近では、2,500円以下のワインにおいて、使用ブドウ品種名や特徴、料理との合わせ方を記載してくれる会社が増えています。

一般的なスーパーで調べると、おおよそ、10本中5本はそのようなワインが取り扱われてれているように思えます。

例えば、「シャブリ」。

「シャブリ」はワイン名であり、産地名です。フランスのシャブリという場所でつくられるワイン。シャルドネというブドウ品種のみでつくらなければなりません。それ以外でつくった物は、例えシャブリという場所でつくっても、シャブリを名乗れません。厳密にはもっと細かいルールがあるのですが、「私たちはシャブリ」という産地名もブドウ品種名も覚える必要がありました。

ワインの裏ラベルに使用したブドウ品種名や味わいを書いてくれているなら、そこで確認できれば十分です。

最近は、フランスワインかつ2,500円以下のワインには、裏ラベルにブドウ品種名の紹介があるワインもありますが、それ以上の価格になるととたんに表記する会社は少なくなります。

ワインをつくるその土地の規約の厳さ、その土地での製造方法まで、知っている方に飲んでいただきたいという現れなのでしょうか。

価格札内の情報

ワインを販売する店舗が作成します。インポーター会社から追加の情報をもらう店もあれば、独自の知識やネット情報、ワイン本情報を元に書かれることもあります。

比較的ワインに力を入れており、ソムリエが在籍するお店は、独自に作成するケースもあります。

お店の一押しや、おススメの味わい方を書いているお店も。

また、価格札内の注意点としては、赤にあって白にない、またその反対の物が存在することが多いという点。それをミチシルベとして次に書きました。

情報ミチシルベ
・赤は、軽口~重口のボディ(重さ)が表記されるものが多い。
・白は、甘辛度を示すところが多く、ボディの表記がないものが多い。
・酸味の有無などが記されていることはとてもレア。
知識ゼロでも美味しいにたどり着くハッピーワイン選び
(画像=知識ゼロでも美味しいにたどり着くハッピーワイン選び )

商品説明POP

商品POPは、ワインを販売するお店が独自に作成します。

ワインインポーターがPOPを作成し、販促用に販売店に渡すケースもあります。

これこそ、店舗により違いが明確に現れます。最近は、大型スーパー。地方スーパーなどでも積極的に取り付けており、店舗ならではの表現やおススメコメントがあり、とても役立ちます。

国名、産地名、ブドウ品種名、味わい、料理名、生産者の想いが記載されていたり、料理との合わせ方やスタッフが実際に飲んだ味わいコメントが入っているものもあります。

POPが手書きされ、「かわいい」「試したい」と思ったら、そこは素直に買い! そのフィーリングって、あながち外れていません。店舗スタッフの味わいコメントなどが記載されていたら1度飲んでみる価値があると考えてよいでしょう。

お店でのワイン探しミチシルベ
一致させたい!海近なのか、山近なのか


裏ラベルに国名と地域名など書いてあるワイン。
そのワインの生まれ育ちは、海近なのか、山近なのか。
たったのそれだけなのに、味わいまでも一致するから面白い♪

ワインと料理の国を一致させる際に確認する国名は、必ずエチケットまたは、裏ラベルに生産国の記載があります。

その際、もし、国さらには、地域名や州の名前などがあったらラッキー。

海近なのか、山近なのか。

地域名は、携帯を取り出して、地図検索。地方名が書かれることもあり、ピンポイントで場所が出ない場合もありますが、海がすぐそばにあるか、ないかで判断する方法もありです。

自然環境は、ワインの味わいに変化をもたらし、それはワインの個性となります。

一部の組合せ例です。

  • フランスは、プロバンス地方の白やロゼワインと魚介たっぷりのブイヤベース。
  • スペインは、リアスバイシャスのワインと魚介のサラダ。

どちらのワインも海が近い場所で生産されていますから、魚介料理と楽しみたいものです。

生まれ育った環境ミチシルベ
・海の食材を使った料理に海近ワイン。
・山の食材を使った料理に山近ワイン。

これで、さらにワンランクアップの美味しい組合せが実現されます。
その理由は、海近地域でつくられたワインは海風に運ばれた塩分や海水のミネラルがブドウ畑の土壌に付着、ブドウの葉にも付着することで、結果仕上がるワインの味わいもそれらを感じることができます。

そのため、お料理も魚介を使った料理によく合います。

一方、山でつくられたワインは、海側より標高が高く、気温が低い。ブドウは、ゆっくり熟成が進むことで酸味の高いワインができる傾向があります。

また、大地に含まれるカルシウムや鉄やマグネシウム、腐葉土から来る栄養素を含み、複雑で、繊細。大地の力強さを兼ね備えたワインが出来上がります。

大地とともに生きた食材。お肉料理の味わいを支えたり、キノコ料理などにも合います。

しかし、シンプルに! の裏に例外は存在するもの。海のそばであっても海風の影響を受けない 立地もあれば、反対に山の中でも海由来のニュアンスを感じるワインもあります。

フランスの真ん中、海から遠く離れた場所・シャブリ(産地の名前でありワインの名前)はどうして牡蠣と合うの?

ここの土壌は、かつて海だったといわれる地層で、貝殻が混ざっているような石灰土壌です。ミネラルを多く含んでおり、生牡蠣とよく馴染むといわれています。

私のおススメは、ホタテグリルやアサリ白ワイン蒸しと一緒にいただくこと。

また、シャブリであれば、その高い酸味を活かして、から揚げにレモンをきゅっと絞る要領で、ワインを合わせることも可能です。

いずれにしても、地殻変動によって生まれた味わいを試せるなんて、壮大すぎて、目がまわりそうです。

知識ゼロでも美味しいにたどり着くハッピーワイン選び
へんみ ゆかり
逸見由香理。在学中は、食物栄養学を専攻。卒業後、広告代理店に就職。広告プロデューサーとして、東京ガス、住友林業などの料理教室告知、販促物作成、イベント、展示会の企画運営等に携わる。出産を機に退社。のち、「ママが通えるワイン教室」の定期開催。「小さい子供と作る包丁を使わない料理」を提案。新聞、雑誌へのレシピ提供、企業のアレンジ料理提案ならびにwebページでの連載。ワイン・料理講師、セミナー講師、テレビ出演等を経て、現在、輸入食品販売会社のワイン販促に携わる。ワインの保有資格、日本ソムリエ協会ワインエキスパート。イギリスワイン国際資格WEST INTERNATIONAL HIGHER CERTIFICATE IN WINEを最優秀で取得。

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