ZUU online magazine2020年3月号(1月21日発売)からお届けします。

ZUU online magazine
『ZUU online magazine』2020年3月号(1月21日発売)
NYダウは史上最高値を更新、日経平均株価もバブル崩壊後の最高値近辺で推移している。ここ数年、この流れに乗って、株で資産1億円を達成する、いわゆる“億り人”が次々と誕生している。そして、彼らの中にはプロ顔負けのサラリーマン投資家も少なくない。彼らはどのようなスタイルで1億円を達成したのか...、10人の“億り人”に直撃取材した。※画像をクリックするとAmazonへ飛びます
FX
(画像=PIXTA)

為替は国と国との力関係を示すもの。一国の事情だけで先行きを予測するのは難しい。今、世界はどのようなパワーバランスが働いているのか? 為替業界に精通する武部力也さんが、最新情報をお届けする。

武部力也
武部力也 RIKIYA TAKEBE
岡三オンライン証券投資情報部長
東京外国為替市場、インターバンク市場で活躍後、2009年に岡三証券に入社。現在は同社で為替に関するストラテジーなどを立案。東京金融取引所の為替・株価指数証拠金市場運営委員会委員を務める。テレビや新聞でもおなじみのストラテジスト。「力也のFX道場」を日々、更新中。

今年の米ドル/円相場も狭い値幅変動にとどまる

今年の米ドル/円相場を展望するうえで、まずは円側の事情から考察したい。内閣改造後の安倍政権では2閣僚が辞任し、安倍総理自身も「桜を見る会」問題を追及された。その結果、政治信条である憲法改正に関する動きは改造内閣発足以降、ほぼ見られなかった。憲法改正には有権者の支持が不可欠で、景気失速ではそれどころでなくなる。日本の経済や株式市場にマイナス材料の円高を安倍政権が抑止するバイアスは、今まで以上に強まりそうだ。

では、円売りの実行部隊は誰か。 私はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)だとにらむ。GPIFは資産別保有比率を明らかにしてきたが、昨年10月以降は非公表だ。外債の割合は昨年6月末の時点で18%超に達し、目標値の15%を突破したのが理由かもしれない。市場では、さらにその保有比率を高めるとの観測が強まっている。

一方でドル側に目を向けると、トランプ大統領が弾劾裁判に追い込まれている。ただ、共和党が過半数を占める上院がその舞台で、有罪となる可能性はきわめて低い。そもそもトランプ大統領がウクライナ政府に圧力をかけたという疑惑は、民主党最有力候補・バイデンの子息を巡る不正追及が目的。弾劾裁判にはバイデン親子も出廷し、支持率に影響が及びかねない。その結果、「トランプに再び」との世論に傾けば、金融市場はそれを歓迎するはず。

また、今年は金利を据え置くのがFRBのスタンスで、米国経済が堅調である限り、同国内への資金流入が続く。だが、年度末に向けては日本企業が海外から資金を還流させる動きも活発化。急激なドル高・円安は考えがたく、米ドル/円相場の値幅は抑制されよう。個人投資家の見解も同様と目され、当社における売買動向でもレンジ上限・下限付近での逆張り傾向が顕著だ。

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(画像=ZUU online magazine)
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NYダウは史上最高値を更新、日経平均株価もバブル崩壊後の最高値近辺で推移している。ここ数年、この流れに乗って、株で資産1億円を達成する、いわゆる“億り人”が次々と誕生している。そして、彼らの中にはプロ顔負けのサラリーマン投資家も少なくない。彼らはどのようなスタイルで1億円を達成したのか...、10人の“億り人”に直撃取材した。※画像をクリックするとAmazonへ飛びます