(本記事は、マデリン パケット氏、ジャスティン ハマック氏の著書『The WINE マグナムエディション ワインを極めたい人のマスター&テイスティングバイブル』日本文芸社の中から一部を抜粋・編集しています)

ワインボトル
(画像=PIXTA)

ワインラベルはどう見る?

通常はラベルにいちばん大きく書かれているのがワインの名前です。ワインの名前は、ブドウの品種、生産地を表記するほか、オリジナルの名前がつけられることがあります。

ブドウの品種
The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
このラベルはドイツ産で「RIESLING(リースリング)」という品種がワイン名に表示されています。

その品種が規定以上の割合で使われている場合、ブドウの品種をラベルに記載できます。最低使用量の割合の規定は各国で異なります。

品種記載が可能な使用量
【75%】アメリカ(州により異なる)
【85%】オーストラリア、オーストリア、アルゼンチン、チリ、フランス、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、ポルトガル、南アフリカ、ハンガリー、ギリシャ、カナダ
生産地
The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
「BORDEAUX SUPÉRIEUR(ボルドー・シュペリウ−ル)」という表示があり、フランスのボルドー地域で生産されたことがわかります。ワイン名に生産地が入ったものは、各地で定められた厳格な品質規定をクリアしたものです。

たとえば「Sancerre(サンセール)」という生産地を名前として表記できるのは、ソーヴィニヨン・ブラン種100%のものだけです。生産地によるラベル表記が多く見られるのは、ワインの歴史が古い「旧世界」ともいわれる産地で、次のような国です。

生産地名の多い国
フランス、イタリア、スペイン、ハンガリー、ギリシャ、ポルトガルなど
オリジナルの名前
The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
生産者であるワイナリーが自社のブレンドワインを区別するために独自の名前をつけたり、自社のブドウ畑の名前をつけることがあります。たとえば、「Les Clos(レ・クロ)」というラベルがありますが、レ・クロとはフランスのシャブリ地区にある特級畑のひとつで、これをワイン名にしたものです。

ワインにまつわるデータ

ボトルに入ったワインの量、1日の適量、ワインに含まれる亜硫酸塩に関することなど、ワインにまつわるデータを紹介します。

1杯分のワイン

アメリカでは、ワインを1杯サーブする際の標準量は150ml。一般的なワインボトル1本の容量は750mlのため、5杯分の量です。日本は1杯80〜100ml程度が標準です。

ワインの適量

米国保健福祉省では、男性の場合は1日に2杯以下、1週間で14杯まで、女性の場合は1日に1杯以下、1週間で7杯までが適量だと推奨しています。

パーティーでのワイン

パーティーなどでワインを多めに飲んでしまう場合は、男性は1日に3杯、女性は2杯を限度とし、その週にお酒を飲まない「ノンアルコールデー」をつくりましょう。

心臓病の発症

アメリカ心臓協会によると、健康的にお酒を飲む人はお酒を飲まない人に比べ、心臓病を発症するリスクが少ないといわれています。

ワインによる頭痛

ワインを飲んで起こる頭痛のおもな原因は、亜硫酸塩ではなく脱水です。さらに、発酵食品などによく含まれているチラミンのような生体アミンが要因になることもあります。

頭痛の防止

脱水による頭痛を避けるには、ワインをグラス1杯(150ml )飲むごとに、250mlの水を飲むようにしましょう。

亜硫酸塩の表示

「亜硫酸塩を含む」とラベルに表示のあるワインは10ppm以上の亜硫酸塩を含んでいます。含有量の法的基準は350ppmまでとされており、おおむね50〜150ppm程度です。一般的に缶入りソーダには350ppmの亜硫酸塩が含まれているとされます。

ワイン別の亜硫酸塩量

亜硫酸塩の含有率は、甘口よりも辛口の方が少なく、白ワインよりも赤ワインのほうが少なくなっています。低品質のワインは高品質のものよりも多くの亜硫酸塩を含んでいます。

ワインのカロリー

一般的なアルコール度数13度の辛口ワイン1杯分は、炭水化物0g、カロリーは103kcalです。甘口5%でアルコール度数13度の甘口ワインは、炭水化物29g(糖質が加わる)で132kcalです。

The WINE マグナムエディション
マデリン パケット(Madeline Puckette)
マスターソムリエ役員会議(Court of Master Sommeliers)認定のマスター・ソムリエ。デザイナー、複数のレストランでのソムリエ勤務を経て、2011年、パートナーであるジャスティン・ハマックとウェブサイトブログ、「winefolly.com(ワイン・フォリー)」を立ち上げる。デザイン業界でのキャリアを生かし、情報デザインを使ってワインをわかりやすく捉える方法を開発。winefolly.comは世界のワインに関するブログでもっとも有名なサイトとなり、2015年にはサイトの内容をまとめた『Wine Folly:The Essential Guide to Wine』を出版。ニューヨークタイムズでベストセラーとして紹介され、アマゾンが選ぶ2015年「トップ・クックブック」にも選ばれる
ジャスティン ハマック(Justin Hammack)
winefolly.comの共同設立者。サイトのコンセプト展開、ツール開発、市場でのブランディングを担当。サイトでは、ワインマップ、テイスティング・ツール、ワイン学習資料などを無料で利用できる、ワイン情報の共有空間を提供している
赤星 ゆかり
日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ。AISイタリアプロフェッショナル・ソムリエ。日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA。ワインスクール、レコール・デュ・ヴァン講師。東京生まれ。イタリアレストランに勤務中にワインのすばらしさに触れ、イタリアへ留学。2007年イタリア・トリノにて、AISイタリアプロフェッショナル・ソムリエを取得。イタリア・トリノの一つ星レストランGardeniaでの勤務を経て、現在は都内イタリア・スペインレストラン「ギ」にてソムリエとして勤務

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