(本記事は、マデリン パケット氏、ジャスティン ハマック氏の著書『The WINE マグナムエディション ワインを極めたい人のマスター&テイスティングバイブル』日本文芸社の中から一部を抜粋・編集しています)
ワインで料理する
3つのワイン料理
ワインは、煮つめたソース、マリネ液、ディグレージング(残り汁にワインを加えてソースにすること)などに使えます。
ワインによって料理のフレーバーが高められ、味に相乗効果が生まれます。
煮つめてソースにする
▶ カップ1杯のワインが1/4杯のソースになる ワインを煮つめてつくるソースは、ワイン特有の風味である酸味と果汁味を生かして、料理に深みと甘味を出してくれます。弱火にかけてゆっくりと煮つめれば、よい味に仕上がります。ワインのアルコールは飛びますが、弱火にすることでソースにデリケートなワインのアロマが残ります。
マリネに使う
▶ ワイン2にオイル1、プラス調味料を マリネとは、酢などの酸性の液体、オイル、スパイス(好みで砂糖も)を混ぜ合わせた調味液に食材をつけることです。ワインにはタンニンと酸味があり、マリネでの酢の役割を果たしてくれます。マリネすることで食材のタンパク質がやわらかくなり、ワインの風味が移ります。マリネするときには、食材をつける時間に気をつけてください。時間をかけすぎるとタンパク質が崩れてしまいます。魚で15分〜45分、ブリスキット(肩バラ肉)だとひと晩ほどかかるかもしれません。
ディグレージングする
▶ 料理の残り汁1カップあたり、大さじ1〜2杯のワイン 料理用としてワインを加えるのは便利な方法で、ワインの風味や自然な酸味をうまく活用できます。熱い鍋やフライパンにある料理の残り汁に冷たいワインを加えて揺り動かし、混ぜ合わせます。ディグレージングした液は、グレイビーソースやスープのベースとして使うのがおすすめです。また、ゆっくりと煮込んでいるシチューに直にワインを加えてもかまいません。アルコールを飛ばすために少なくとも1時間は煮込むようにします。
料理に使うワイン
料理のタイプによって相性のよいワインがあります。
日常的に使うもの、特別なときに使うものなど料理のためにワインを選ぶのも楽しいでしょう。
- 辛口の白ワインと赤ワイン
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ビーフシチュー、クリームスープ、白ワインのバターソース、ムール貝、クラムチャウダー、ディグレージングなどに最適。 日常的に飲む白ワインと赤ワインがおすすめです。料理に使うのに一番よいのは、多くが普段の食事と一緒に飲んでいるワインです。一般的には、フルーティーでライトボディの白ワイン、ライトかミディアムボディの赤ワイン、酸味の強いロゼワインを選ぶことが多いと思います。 ▶ おすすめワイン ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、シュナン・ブラン、リースリング
(画像=The WINE マグナムエディション)
- ナッツ風味の酸化ワイン
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グレイビーソースとして、チキン、ポーク、オヒョウのようなリッチな魚、エビに。スープにも最適。 ワインは酸化すると、より複雑な味わいが加わります。ナッツ、焼いた果実のしっかりしたフレーバーが生まれ、こんがり焼いた砂糖のような香りもでてきます。酸化したワインの多くは酒精強化ワインなので、濃厚な煮込みに使いましょう。古くからヨーロッパの古典的な料理に使われ、濃厚なアジアやインドの料理にも合います。 ▶ おすすめワイン シェリー、マデイラ、マルサラ、オレンジワイン、ヴァン・ジョーヌ
(画像=The WINE マグナムエディション)
- リッチな甘口ワイン
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ナッツ、キャラメル、バニラのアイスクリームに。デザートのシロップに最適。 甘口の赤ワインと白ワインは煮つめてソースにしてもおいしくなります。ワインを選ぶときは、料理の強さに合うかどうかを考えましょう。たとえば、濃厚なチョコレートのデザートなら、リッチでボディのあるルビー・ポートワインなどからつくられたソースがよく合います。 ▶ おすすめワイン ソーテルヌ、ポート、アイスワイン、甘口のリースリング、ボーム・ド・ヴニーズのマスカット・ワイン、ヴィン・サント、ゲヴュルツトラミネール、ペドロ・ヒメネス(PX)
(画像=The WINE マグナムエディション)
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