(本記事は、マデリン パケット氏、ジャスティン ハマック氏の著書『The WINE マグナムエディション ワインを極めたい人のマスター&テイスティングバイブル』日本文芸社の中から一部を抜粋・編集しています)

ワイン
(画像=PIXTA)

味わう

グラスを取り、ちょうどいい分量を口に含んでください。それを「噛む」ようにしてみましょう。まずは、口の中をくまなくワインが覆うようにします。試飲として飲み込んでも、口から出してもかまいません。次に、ゆっくり口から息を吸い鼻から出します。

The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)

味わいの分布

ワインを口に含んだら、次の順番で味を確認していきましょう。

▶ 甘味

甘口ですか辛口ですか。甘味は舌が最初に感じる味覚です。

▶ 酸味

唾液がでましたか。酸味が高いと唾液がでて、舌がピリリとします。

▶ タンニン

口がすぼみ渇くような渋味、または苦味がありますか。タンニンは舌の中程や唇と歯の間で感じることができます。ブドウ由来のタンニンが多いワインは口の前のほうで渋味を感じます。オーク樽からのタンニンは舌の中心部でより強く感じられます。

▶ アルコール

ワインが喉を通るとき、あたたかみや熱を感じましたか。それがアルコールです。

▶ ボディ

口の中いっぱいにフレーバーを感じましたか。もしそうなら、そのワインはフルボディです。わずかに感じさせる程度ならライトボディです。

▶ フィニッシュ

最後にどんな風味やフレーバーが残りましたか。苦味、酸味、オイリーな感じ、塩からい感じなど、感じたものをテイスティングノートに書きとめておきましょう。スモーキー、ハーブ、香水のような感じなどがあればそれも記録します。

▶ フィニッシュの長さ

最後に感じたフレーバーが消えるまでどのくらいの時間がかかりましたか。

The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)

▶ 複雑さ

さまざまなアロマやフレーバーを感じて分析するのが大変でしたか。だとすれば、複雑な味わいといえます。

▶ レイヤー

ひと口含んでいる際、フレーバーがしだいに変わりましたか。ワイン評論家には、そういう味わいの感覚を「レイヤー(層)」があるとか「ディメンション(次元)」があるなどと詩的な表現をすることがあります。

あなたはどのタイプのテイスター?

味覚の鋭さは、舌にある突起状の舌乳頭に含まれる味蕾(みらい)の数が影響しています。

あなたの舌は、青い丸の中にいくつの舌乳頭があるでしょうか?

舌乳頭の数で味覚のレベルをチェックしてみましょう。

味覚が鈍い
The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
人口の10〜25%が該当
舌乳頭が15個以下なら感覚が鈍いかもしれません。一般の人のように苦味を感じることができず、実際、苦味をまったく感じない人もいます。食事に気をつけて、豊かではっきりした味覚の食べ物を取るようにしてみましょう。

試して欲しいワイン
▶ タンニンの多い赤ワイン
▶ フルボディの白ワイン
▶ 甘口の白ワイン

臭覚に障害がある人は人口の1〜2%といわれています。臭覚に障害があると、においを感じたり、かぎ分けたりすることが困難になります。
平均的な味覚
The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
人口の50〜70%が該当
舌乳頭が15〜30個あるなら味覚は平均的です。敏感なテイスターが感じる苦味のフレーバーも感じることができますし、それが極端に不快でもありません。

試して欲しいワイン
▶ アロマ豊かなワイン
▶ すべてのワイン

女性は男性に比べて2倍以上、味覚に敏感なテイスターになる傾向があります。
味覚が過敏
The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
人口の10〜25%が該当
舌乳頭が30個以上あるなら感覚が敏感です。スーパーテイスターとも呼ばれます。あらゆるフレーバーがあなたには強く感じられます。ワインだけでなく、食べ物の舌ざわり、辛さ、温度にも敏感です。好き嫌いのはっきりした人に多いタイプです。

試して欲しいワイン
▶ 甘口の白ワイン
▶ タンニンの低い赤ワイン

アジア、アフリカ、南米にルーツをもつ人は、白色人種に比べると敏感なテイスターである割合が多くなるようです。
The WINE マグナムエディション
マデリン パケット(Madeline Puckette)
マスターソムリエ役員会議(Court of Master Sommeliers)認定のマスター・ソムリエ。デザイナー、複数のレストランでのソムリエ勤務を経て、2011年、パートナーであるジャスティン・ハマックとウェブサイトブログ、「winefolly.com(ワイン・フォリー)」を立ち上げる。デザイン業界でのキャリアを生かし、情報デザインを使ってワインをわかりやすく捉える方法を開発。winefolly.comは世界のワインに関するブログでもっとも有名なサイトとなり、2015年にはサイトの内容をまとめた『Wine Folly:The Essential Guide to Wine』を出版。ニューヨークタイムズでベストセラーとして紹介され、アマゾンが選ぶ2015年「トップ・クックブック」にも選ばれる
ジャスティン ハマック(Justin Hammack)
winefolly.comの共同設立者。サイトのコンセプト展開、ツール開発、市場でのブランディングを担当。サイトでは、ワインマップ、テイスティング・ツール、ワイン学習資料などを無料で利用できる、ワイン情報の共有空間を提供している
赤星 ゆかり
日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ。AISイタリアプロフェッショナル・ソムリエ。日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA。ワインスクール、レコール・デュ・ヴァン講師。東京生まれ。イタリアレストランに勤務中にワインのすばらしさに触れ、イタリアへ留学。2007年イタリア・トリノにて、AISイタリアプロフェッショナル・ソムリエを取得。イタリア・トリノの一つ星レストランGardeniaでの勤務を経て、現在は都内イタリア・スペインレストラン「ギ」にてソムリエとして勤務

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