(本記事は、マデリン パケット氏、ジャスティン ハマック氏の著書『The WINE マグナムエディション ワインを極めたい人のマスター&テイスティングバイブル』日本文芸社の中から一部を抜粋・編集しています)

ワイングラス
(画像=PIXTA)

ワインを楽しむ

ワイングラスについて

ワインを飲むためのグラスの基本的な形と、各部の名称などを覚えておきましょう。

The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)

サイズ
ワインのアロマを集めるには十分な大きさが必要です。白ワイン用のグラスは容量が300〜600ml、赤ワイン用のグラスは500〜900ml程度が基本となります。

厚さ
リムの薄いグラスはワインの口あたりが滑らかです。


ボウルが広いとワインの表面が空気にさらされることになり、蒸発によってアロマが強まります。ボウルが狭いとアロマが弱まるため、辛口ワインやアルコール度数が高いワインに向いています。

クリスタルガラス
クリスタルガラスとは、鉛、亜鉛、マンガン、チタニウムのような鉱物を含んでいるガラスのこと。標準的なガラスに比べて耐久性に優れています。透明感があり水晶のような輝きをもつのも魅力のひとつです。鉛ベースのクリスタルガラスでつくられたワイングラスは、ひと晩以上ワインを入れておいてはいけません。さらに、香料の入っていない洗剤で手洗いする必要があります。鉛ベースでないものなら、食洗機を使えるグラスもたくさんあります。

開口部
開口部分の大きさは、アロマに集中しようとするときにどれだけグラスに鼻が近づけられるか、グラスを洗うときにどれだけ持ちやすいかの2点に影響します。開きが大きいほうがフローラルなアロマがよりでやすくなり、開きが小さいものはフルーツ系、スパイス系のフレーバーを出しやすくなります。

ステムあり? ステムレス?
ステムレスは直接ボウルを持つことで体温が伝わりますが、味覚には影響しません。シチュエーションに合わせて、ステムつきかステムレスかを選ぶとよいでしょう。

グラスの選び方
選び方は個人の好みですが、次のような点を意識しておきましょう。

▶ 食器として洗って問題のない強度のものを選ぶ。
▶ 室内を動き回るペットがいるなら、ステムレスのグラスが無難。
▶ 破損したときのコストも考慮する。
▶ 自分のワインの好みにあったグラスを1〜2種類用意しておく。
▶ ワイン好きの来客のことも考えて十分な数をそろえておく。

ワイングラスのタイプ

ワイングラスにはいくつかの種類があります。

ワインのタイプによってグラスを使い分けることで、ワインの香り、味をより存分に楽しむことができます。

スパークリングワイン
The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
発泡性ワインには、できるだけ薄く背の高いグラスが向いています。フルートグラスはすっきりしたスパークリングワインに合います。チューリップタイプはより濃いワインと相性がよく、プロセッコや熟成したスパークリングワインに向いています。クープは必ずしも理想的なグラスとはいえませんが、見た目が魅力的で人気です。
白ワイン/ロゼワイン
The WINE マグナムエディション
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白ワイン用のグラスはボウルが小さめで、冷たさをキープしやすく、アロマを楽しみやすくなっています。白ワイン用でもボウルが大きいものは、よりアロマを楽しみたいシャルドネのようなオーク樽詰めの白ワインに適しています。
赤ワイン
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口が広く、ボウルに丸みがあるグラスはアロマが集まりやすく、ピノ・ノワールには最適です。中くらいのサイズのものは、サンジョヴェーゼやジンファンデルのようなスパイシーなワインに合います。オーバーサイズのグラスは、大きな開口でタンニンの多さを緩和し、カベルネやボルドーのブレンドに向いています。
そのほかのグラス
The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
シェリー、ポートのようなワインには専用のグラスがあります。ステムレスは水を飲むのにもよいグラスです。

ワイングラスの持ち方

ワイングラスを持つ方法には、ステムを持つ場合とボウルを持つ場合があります。日本ではステムを持つ姿をよく見かけますが、海外ではボウルを持つほうが一般的なようです。大きなグラスはステムを持つとバランスを崩しやすいこともあるので、状況にあわせて持ち方をかえてもよいでしょう。

The WINE マグナムエディション
(画像=The WINE マグナムエディション)
The WINE マグナムエディション
マデリン パケット(Madeline Puckette)
マスターソムリエ役員会議(Court of Master Sommeliers)認定のマスター・ソムリエ。デザイナー、複数のレストランでのソムリエ勤務を経て、2011年、パートナーであるジャスティン・ハマックとウェブサイトブログ、「winefolly.com(ワイン・フォリー)」を立ち上げる。デザイン業界でのキャリアを生かし、情報デザインを使ってワインをわかりやすく捉える方法を開発。winefolly.comは世界のワインに関するブログでもっとも有名なサイトとなり、2015年にはサイトの内容をまとめた『Wine Folly:The Essential Guide to Wine』を出版。ニューヨークタイムズでベストセラーとして紹介され、アマゾンが選ぶ2015年「トップ・クックブック」にも選ばれる
ジャスティン ハマック(Justin Hammack)
winefolly.comの共同設立者。サイトのコンセプト展開、ツール開発、市場でのブランディングを担当。サイトでは、ワインマップ、テイスティング・ツール、ワイン学習資料などを無料で利用できる、ワイン情報の共有空間を提供している
赤星 ゆかり
日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ。AISイタリアプロフェッショナル・ソムリエ。日本ソムリエ協会認定SAKE DIPLOMA。ワインスクール、レコール・デュ・ヴァン講師。東京生まれ。イタリアレストランに勤務中にワインのすばらしさに触れ、イタリアへ留学。2007年イタリア・トリノにて、AISイタリアプロフェッショナル・ソムリエを取得。イタリア・トリノの一つ星レストランGardeniaでの勤務を経て、現在は都内イタリア・スペインレストラン「ギ」にてソムリエとして勤務

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