(本記事は、三木 雄信氏の著書『孫社長のYESを10秒で連発した 瞬速プレゼン』すばる舎の中から一部を抜粋・編集しています)
仕事の9割はコミュニケーションとその準備である
「結論から言え!」「なぜすぐに答えられないんだ?」
そんな孫社長の言葉に、うつむく幹部や社員たち。
ソフトバンクの会議室では、こんな光景がたびたび見られました。
孫社長の前で、コミュニケーションに余計な時間をかけるのは御法度です。
報連相は簡潔に、聞かれたことは瞬時に答える。
これがソフトバンク流コミュニケーションの鉄則です。
孫社長に質問されて、「持ち帰って検討します」などと言おうものならどうなるか。「君は次から来なくていい」と言われることもなく、声がかからなくなり、その人は二度と会議に呼ばれなくなります。
なぜ孫社長は、これほどコミュニケーションの速度を重視するのか。
それは、「コミュニケーションが遅い人は、仕事も絶望的に遅い」からです。
裏を返せば、こういうことになります。
「仕事が速くなりたいなら、コミュニケーションを速くするしかない」
なぜならホワイトカラーの仕事の9割は、コミュニケーションとそのための準備で占められているからです。
あなたも、自分が毎日何のために時間を費やしているかを考えてみてください。
会議や打ち合わせ、商談、交渉などのコミュニケーションか、それに必要な資料作りや情報収集、スケジューリングなどの準備作業か。
仕事をしている時間の大半は、このいずれかに使っているはずです。
よって仕事をスピードアップするには、コミュニケーションに使う時間をいかに圧縮するかがカギになります。
そこで求められるのが、「瞬速プレゼン」の技術です。
孫社長の口グセ「10秒以上考えるな!」
今の時代、自分一人でできる仕事などありません。成果を出すには、誰かの協力やチームでの連携が絶対に必要です。
つまり仕事を速くするには、「短時間でいかに多くの人を動かせるか」を考えなくてはいけないわけです。「10秒以上考えるな!」
これは孫社長の口グセです。
そのココロは、「自分一人の頭ではいくら考えても答えは出ない。だから10秒考えてわからなければ、人に意見を聞いたり、チームで議論したりしろ」ということです。
いい仕事をして成果を出すには、コミュニケーションして人の力を借りなくてはいけない。
これが孫社長の考えです。
よって結果を出そうとすると、コミュニケーションの量はどんどん増えます。
だからこそ、同時にコミュニケーションの速度を上げないと、結果を出すまでの時間は遅くなる一方です。
とくに中間管理職やリーダークラスにとって、コミュニケーションが遅いことは死活問題になります。
組織の中で、コミュニケーションチャネルが最も多いのがこのポジションです。
上には部長クラスや役員クラスがいて、下には多くの部下を抱えています。社外の取引先や協力会社とのつながりもあれば、仕事の一部を外注することもあります。
まさに上・下・横・斜めと全方位に情報の窓口が広がっているため、コミュニケーションの量も膨大です。
その一つ一つに時間をかけていたら、いくら残業しても追いつくわけがありません。
コミュニケーションのスピードを上げない限り、あなたの仕事は遅いままです。
まずはその現実にしっかりと目を向けてほしいと思います。
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