2020年3月9日8時時点に竹内典弘さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週後半に開催されたOPEC(石油輸出国機構)プラスの会合が決裂、サウジが増産を示唆した。週明けの為替市場では先週からの流れが継続、「米ドル/円」はギャップダウン(下窓)で寄付き、昨年2019年来の安値を更新、オセアニア市場で103.53円まで下落している。

現在の為替相場の戦略やスタンス

先週は豪州、米国、カナダの順に中央銀行が利下げを発表、協調緩和の思惑から、今週は12日(木)のECB(欧州中銀)の政策判断に注目が集まる。昨年秋、ドラギECB元総裁が理事会内の反対意見を黙殺、追加緩和を強行したことで理事会内には亀裂が走り、メンバーの抗議辞任まで発展した。今週のECB理事会では、政策金利である預金ファシリティ金利の10bp(0.10%)の利下げを予想する声が多いが、そのハードルは極めて高いものとなるだろう。先週のFRBの緊急利下げでも、ここまで市場の混乱は収まらず、金融緩和の限界が徐々に露呈しはじめている。ECBが金融政策を据え置けば、協調の文字はなくなり米ドル安へ、仮に利下げと判断してもその効果は限定的、引き続き米ドル安が継続、「米ドル/円」の戻りも限られたものとなりそうだ。ボラティリティから換算する今週のレンジは、米ドル/円で101.50~106.00円、ユーロ/米ドルで1.1250~1.1600ドル、ユーロ/円で116.00~120.00円を予想している。

竹内典弘
1990年、カナダ系の銀行へ入行し為替ディーラーとなる。HSBCでは米ドル/円のチーフトレーダーを務めるなど20年以上にわたって為替市場の第一線で活躍。現在は個人トレーダーとして自己資金を運用するほか、twitter(@yen20pl)や西原宏一さんのメルマガを通じて情報配信を行なう。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。