2020年3月13日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日12日(木)のNY市場では米国株が再び暴落。S&Pは1987年以来の大幅安となり、弱気相場入り。NYダウは10%急落し、こちらも1987年以来の急落。新型コロナウイルス感染拡大に対する米政府の政策対応が不十分との見方から米国株式市場開始直後から売りが殺到した展開。しかし株の暴落を横目に米ドル/円は反発。一時106.10円の高値にまで上昇している。株安による日本からのレパトリは変わらず起こるため、日本勢からの円買いは想定できるが海外勢の中で「円は避難通貨ではない」とする参加者が増えており彼らからの「株売り、円売り」の流れもあるためこれまでのようにシンプルに「株安=米ドル/円の売り」という構図にならなくなっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

中期で見た場合、日米の中央銀行の金融緩和のスピードの相違から米ドル/円の下落トレンドは変わらず。テクニカルで注意すべきは今回の急落の安値となった101.20円付近のサポート。このレベルは、2016年11月9日の安値と同値。この水準は、2016年の米大統領選挙でトランプ氏が勝利して、米ドル/円が118円台まで急騰した時の起点でもある。つまり、101.20円付近以下に沈むということは、トランプ米大統領誕生前の相場に戻るともいえるため、101円台前半は、極めて重要なサポートレベルであるといえる。しかしFRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利の連続利下げも織り込み始めている米ドルの上値は極めて重く、先月2月につけた112円台は、今年2020年の高値に到達したといえるのかもしれない。106~107円を戻しの目途として、米ドル/円の戻り売りで臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。