今週の日経平均は、落ち着きどころを模索するなか自律反発の局面がありそうだ。

日経平均は2月10日から3月13日までの約1か月間、5週連続安で7000円幅の直線的な下げ幅を見ているだけに、一端は戻りのタイミングを窺う場面にある。ただ、20日からの3連休を控えて模様眺めムードも強まりやすい。

前週の日経平均は3年4か月ぶり一時17000円台割れ

今週の日経平均 週初に自律反発へ、後半は模様眺めか【3月16〜20日 相場展望】
(画像=PIXTA)

前週の相場を振り返ると、日経平均は13日、2016年11月18日以来となる3年4か月ぶりの17000円台割れをみた。世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、景気後退の懸念が一段と強まったことが大きく影響した。

ただ、メジャーSQを通過し、日銀による金融市場への緊急資金供給が伝えられるとともに、米株価指数先物の時間外取引での上昇を受けて日経平均は下げ幅を縮めて、前日比1128.58円安の17431.05円で大引けた。

前週13日のNYダウは1985.00ドル高の23185.62ドルと3日ぶりに急反発した。世界各国が金融・財政刺激策を相次ぎ発表したことが安心感につながる中、トランプ米大統領が国家非常事態を宣言したことで、ウイルス感染対策の進展が期待された。

シカゴ日経平均先物も大証取引終値比 1140円高の17930円と上昇しており、週初の日経平均は戻りを試す自律反発の展開が予想される。

今週は日米金融イベントに注目、売り圧力を弱める効果も

今週は17日から2日間、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、18日にパウエルFRB議長が会見する。18日から19日にかけては日銀金融政策決定会合があり、19日に黒田日銀総裁が会見と、日米の金融イベントが注目されて売り圧力を弱める効果がある。また、事業規模10兆円から20兆円の経済対策案が一部で報道されている。日米の金融および政策当局からのアナウンス効果も期待されるところだ。

また、メジャーSQ値を上回るかどうかでその後の1カ月間の相場の強弱が決まるジンクスもある。13日のメジャーSQ値は17052.89円で13日の日経平均終値は17431.05円と、このSQ値を上回っている。ただし、スペインが非常事態宣言を発するなど新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、上値は重くなることが予想される。

物色面では、引き続きウイルス対策関連でニュースが出た銘柄のほか、16日の「会社四季報・春号」の発売で個別株物色が主体となる展開となりそうだ。このほか、今週は7銘柄のIPO(新規上場)が予定されているが、前週IPOの6銘柄のうち5銘柄の初値が公開価格割れとなっていることから、引き続き厳しい展開が予想される。

【今週の主なスケジュール】

16日(月)

  • 1月機械受注(8:50)
  • 中国2月工業生産(11:00)
  • 中国2月小売売上高(11:00)
  • 中国2月都市部固定資産投資(11:00)
  • 米3月NY連銀製造業景気指数(21:30)
  • 会社四季報発売
  • ミクリード(7687)がマザーズにIPO

17日(火)

  • 2月首都圏新規マンション販売
  • FOMC(18日まで)
  • 米2月小売売上高(21:30)
  • 米2月鉱工業生産・設備稼働率(22:15)
  • 米3月NAHB住宅市場指数(23:00)
  • 米大統領選挙予備選(フフロリダ、イリノイ、オハイオ州)
  • ミアヘルサ(7688)がJASDAQ、リビングプラットフォーム(7091)と  ドラフト(5070)がマザーズにIPO

18日(水)

  • 日銀金融政策決定会合(19日まで)
  • 2月貿易統計
  • 2月訪日外客数
  • 米2月住宅着工件数、米2月建設許可件数
  • パウエルFRB議長会見(経済見通し発表)
  • 米州開発銀行(IDB)年次総会(22日まで、コロンビア)
  • 米、EUの航空機に対する追加関税を現行の10%から15%に引き上げ

19日(木)

  • 黒田日銀総裁会見
  • 2月消費者物価指数
  • 1月全産業活動指数
  • 米10-12月期経常収支(21:30)
  • 米3月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30)
  • 米2月CB景気先行総合指数(23:00)
  • 日本インシュレーション(5368)がマザーズ、  ゼネテック(4492)がJASDAQにIPO

20日(金)

  • 春分の日で東京市場休場
  • 地下鉄サリン事件から25年
  • 東京五輪の聖火到着(宮城)
  • 米2月中古住宅販売件数(23:00)