ビルオーナー様の中には、所有ビルの資産価値向上のため、共用部リニューアルを検討中の方もいるのではないでしょうか。
ザイマックス総研の調査によると、ビルの資産価値向上を目的とした共用部のリニューアルを「実施済み」「検討中」「興味あり」と回答したビルオーナーは、約8割にのぼっています。ここでは「リニューアルをしたいが予算をかけられない」と悩む築古ビルオーナー様に、ローコストで共用部の魅力を高める方法を紹介します。

ビル共用部の魅力を高める5つの具体策

wifi
(画像=NicoElNino/Shutterstock.com)

古いビルの共用部(エントランス・水回り・屋上など)を改善することで資産価値向上のための施策にする具体的な方策を見ていきましょう。

ビル共用部の魅力アップ方法1:無料Wi-Fi環境を整備する

ビルの共用部で無料Wi-Fiを使えるようにすると、オフィス社員やテナント利用者の満足度向上につながります。ビル共用部に無料Wi-Fiを設置する方法としては、「Wi-Fi専用機器の設置」や「Wi-Fi自販機の設置」があります。

(1)Wi-Fi専用機器を設置する
インターネット回線を引き、その先にWi-Fi機器を設置します。
例えばジェイコムの法人向け共用部Wi-Fiサービスでは、100台のスマホやタブレットがネットに同時接続できます。通信できる距離は、屋内型で半径15メートル程度、屋外型で半径40メートル程度です。

※ジェイコムのWi-Fiサービスについて詳しくはこちら

(2)Wi-Fi自販機を設置する
Wi-Fi自販機は一見普通の飲料自販機ですが、周辺が無料Wi-Fiスポットになる機能がついています。アサヒ飲料などが取り扱っており、条件が合えば中小ビルにも設置できます。専用機器を設置するスペースが不要というメリットがあります。

※アサヒ飲料のWi-Fi自販機について詳しくはこちら

ビル共用部の魅力アップ方法2:災害対策の備蓄を行う

ビル共用部を利用して災害対策の備蓄を行うことで、テナント(借り手)に安心感を与えられます。特に築古ビルの場合は賃貸契約の前に「災害時の安全性」に不安を感じるテナントがいるかもしれず、このような取り組みはアピールポイントになり得ます。

備蓄するアイテムは、災害トイレやレスキューシート、食料、その他マスクなど消耗品類などが考えられます。前述のWi-Fi環境設置も災害時の安否確認や避難情報の収集に使えます。

ビル共用部の魅力アップ方法3:フォーカルポイントを作る

築古ビルの共用部は、部分的な傷みが目立つことも多いため、「フォーカルポイント(人々の視線を集める場所)」を作るのも有効です。
利用者や来訪者の視線が集まる場所を意図的に作ることで、傷んでいるところから自然に視線を外させる効果が期待できます。

共用部のフォーカルポイントとしては、
・植栽を設置する(ただし消防法に抵触しないよう注意)
・デジタルサイネージ(平面ディスプレイ)を設置する
・ビル名を表示するパネルをハイセンスなデザインのものに変更する
などの方法があります。

ビル共用部の魅力アップ方法4:女性目線を意識する

女性のオフィス社員やテナント利用者の満足度を意識することで、結果的に男性の満足度も上がりやすくなるとされています。

例えば共用の休憩スペースがあるなら、インテリア性の高い照明や家具を配置してリラックスできる空間にしてみましょう。女性向けの雑誌を並べるのも効果的です。
ほか、屋上をテナントが自由に使えるラウンジとして解放する方法もあります。

キッチンやトイレが共用になっていることは一般的にマイナスポイントですが、使い勝手が良く、お洒落な雰囲気のトイレや水回りにすることで、それを物件の魅力にできる場合もあります。

ビル共用部の魅力アップ方法5:照明で空間を演出する

経費削減のために、共用部の照明のLED化を検討しているビルもあるでしょう。照明を交換するだけでなく、天井に埋め込むことで空間がすっきりとした印象になります。さらに、壁の色を清潔感のあるホワイトに替えると空間全体が明るくなります。
証明自体をデザイン性の高いものに変更しライティングも工夫することで、センスの感じられる空間を演出することも可能です。

ローコストで着手の比較的容易な、共用部の魅力を高める方法を紹介しました。
このほか、共用部の清掃をしっかりするだけでも入居者満足度は上昇します。エントランスやポスト、掲示板、水回りなどの清掃がきちんと行われているかは常に確認することを心がけましょう。(提供:ビルオーナーズアイ


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