要旨
- アベノミクスの成長戦略として打ち出された、「健康経営」*と「働き方改革」の本質は、従業員の働きがい・快適性・幸福感を向上させることを通じて、「従業員の生産性向上」を図ることにある。生産性向上に向けて従業員を積極的にサポートすることは、経営トップの責務と捉えるべきである。
- 経営トップは、イノベーション創出につなげていくための創造的なオフィスづくり、すなわち「クリエイティブオフィス」を健康経営や働き方改革の推進のドライバーに位置付けるべきである。
- 米国でハイテク企業が多く集積するシリコンバレーやシアトルなどでは、企業間で人材の争奪戦が激しく繰り広げられており、企業は優秀な人材の確保・定着のために、必然的に働きやすい創造的なオフィス環境を整備・提供せざるを得ない。
- 一方、クリエイティブオフィスの考え方を取り入れ実践する日本企業は、未だごく一部の先進企業にとどまっている。従業員の健康・快適性を高め創造性を育み本格的なイノベーションを生み出せるような組織風土を醸成し、グローバル競争の土俵に立つためにも、創造的なオフィスづくりに着手することが求められる。
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- 「健康経営」は、特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標。