マツダ・ロードスター・シルバートップ 価格:6MT 316万9100円/6SAT 328万4600円 試乗記

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マツダ・ロードスター・シルバートップ 現行4thモデルは初心に立ち返り軽量&コンパクト設計を徹底 ソフトトップは1.5リッターエンジン(132ps/152Nm)搭載 写真のボディカラーは新色のポリメタルグレーメタリック

4thモデルはライトウエイトスポーツの原点に回帰!

 マツダ・ロードスターは、昨年30回目の誕生日を迎えた。広島県や山梨県で開催された記念ミーティングには多くのロードスターが集まったようだ。ロードスター・ファンクラブの存在は世界各地にあり、その集いには多くのロードスターとユーザーが集う。日本車で、こんなにも世界中のファンに、それも多くの愛好家に愛されているクルマは他にない。

 ロードスターは「スポーツカー世界最多生産記録ホルダー」であり、ギネスにも認定されている。  世界第2位はMGBの 38万台余だが、ロードスターは2016年に100万台を突破。その後RFをも加えて、自らの記録を更新し続けている。そんなクルマが、日本生まれ、日本育ちであることをボクは誇りに思っている。

 現行4thモデル(2015年デビュー)に初めて触れたとき、いちばんうれしかったのは「ライトウエイトスポーツ」の初志に帰っていた点だ。全幅は少し広がったが、全長は短くなり、重量は1stモデルとほぼ同じ。安全性と快適性を引き上げながらの大幅な重量軽減が行われた。年々改良は重ねられているが、2018年に運転支援システムが標準化されたのはうれしかった。

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全長×全幅×全高3915×1735×1235mm ホイールベース2310mm 車重1020kg(MT) 1stモデルのNA型比で全長は55mm短く 全幅は60mmワイド 全高は共通 ホイールベースは45mm長い

「人馬一体」の走行フィール。ドライビングポジションは最高

 エンジンは1.5リッター直4のNA。「まだ、1.5リッターのままなの?」とか「まだターボを付けないの?」といった声もよく聞く。だが、ステアリングを握れば疑問は解消するはず、とボクは思っている。もちろん、圧倒的なスピード性能を求めるのは無理だが、楽しい走りと心地よい走りは十分に味わえるからだ。

 ボクはハイパワーも好きだが、持てるパワーをすべて引き出して走るのも好きだ。限られたパワーを上手く操り、ロスのないドライビングで高いアベレージスピードで走る──これも、運転の楽しさのひとつと思っている。

 マツダ車の走りを表現する代表的キーワードは「人馬一体」だが、ロードスターはそんなマツダのイメージを先導するクルマだ。人馬一体の基本はドライビングポジションにある。その点は当然クリアしている。ロードスターだけでなく、最新のマツダ車の設計は、「まず、ドライビングポジションありき」からスタートしているように思う。「黙って座ればピタリと決まる」とでもいえばいいのか、本当によくできている。

 ドライビングポジションとシートがよければ、ドライビングの自由度は最大限にまで上がり、かつ安心感も高まる。だから、ロードスターでワインディングロードを走るのは実に楽しい。ATでもいいが、MTならさらに楽しい。ヒール&トゥを決めて6速MTを自在に操り、ドライバーの意志に忠実なハンドリングと身のこなしを楽しみ、心地よい風に巻かれて走る......この気持ちよさは、言葉だけでは伝えられない。

 まだロードスターのステアリングを握った経験がないなら、ぜひ一度、この「人馬一体感」を味わってみることをお勧めする。

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室内は適度にタイト クルマとの一体感が味わえる ステアリングはチルト&テレスコピック機構付き ハンドリングはシャープな設定

心引かれるスタイリング。ファッション性の高さも魅力

 ロードスターはファッションツールとしても価値ある存在だ。スポーツカーは「走りが命」みたいにいわれるが、ボクは「カッコよさもまた命」と思っている。

 低く鋭いノーズ、プレスの抑揚でダイナミックに表現したサイド、グッと絞り込んだリア、幌を上げたときのプロポーション......見ているだけで心引かれる。だから、ロードスターを買ったからといって、山に行ってコーナーを攻める必要はない。お洒落な街をゆっくり流し、気の利いたカフェの前に止めて......そんな使い方もいい。

 ビジネスパーソンとの相性もいいだろう。ロードスターで仕事に行けば、相手は一目置くだろうし、風に身をさらして走れば、いいアイデアが浮かぶかもしれない。

 格納式HTをもつRFは、セキュリティ面も含めた安心感で、とくに欧米の女性に人気があるようだ。ハードトップはコクピット背後にコンパクトに収納される。トランクスペースがきちんと確保されているのはうれしい。電動式で開閉時間は約10秒。信号待ちでも開閉できる。こちらのエンジンは2リッター。キャラクター的にも6速ATとの相性がいいように思う。

 もし、ボクが買うならエターナルブルーマイカのSレザーパッケージ。ソフトトップは、以前あったチョコレートブラウンがいい。そして、6速MTを楽しみながら、街をゆったり流したい。

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本革シートはヒーターを内蔵 サポート性に優れたハイバック形状 着座位置は低くスポーティな運転姿勢が心地いい
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ソフトトップは室内に座ったままワンタッチで開閉できる手動式 主要部材は軽量アルミ製 リアウィンドウは熱線入りガラス製 後方視界は良好 開閉動作は軽くスムーズ
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1496cc直4DOHC16V 132ps/7000rpm 152Nm/4500rpm シャープなレスポンスが魅力 MT仕様は軽量フライホイール標準 クランクシャフトは鍛造製 WLTCモード燃費:16.8km/リッター
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6速MTはショートストローク設定 本革巻きシフトノブは操作性に優れた形状
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回転計を中央配置 レッドゾーンは7500rpm以上 速度計は200km/hスケール 回転計内にギアポジションを表示
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195/50R16タイヤと6.5Jスポークアルミ装着 ブレンボ製フロントブレーキ+レイズ製軽量アルミをop設定(33万円)
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風の巻き込みは適度 高速走行でも気軽に爽快なオープンエアが満喫できる 外界と一体となる走りは楽しい時間だ

マツダ・ロードスター・シルバートップ 主要諸元と主要装備

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グレード=シルバートップ(特別仕様車・MT)
価格=6MT 316万9100円
全長×全幅×全高=3915×1735×1235mm
ホイールベース=2310mm
トレッド=フロント1495/リア1505mm
車重=1020kg
エンジン=1496cc直4DOHC16V(プレミアム仕様)
最高出力=97kW(132ps)/7000rpm
最大トルク=152Nm(15.5kgm)/4500rpm
WLTCモード燃費=16.8km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
(市街地/郊外/高速道路=12.0/17.7/19.5km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=195/50R16+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=2名
最小回転半径=4.7m
●主な燃費改善対策:ミラーサイクルエンジン/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/充電制御/電動パワーステアリング
●シルバートップ特別装備(ベースグレード:Sレザーパッケージ):グレー・ソフトトップ(インシュレーター付き)/ボディ同色電動リモコン式ドアミラー/高輝度塗装16インチアルミ/6スピーカー
●主要装備:ダイナミックスタビリティコントロール/アドバンストスマートシティブレーキサポート/クルーズコントロール/リアパーキングセンサー/交通標識認識システム/ブラインドスポットモニタリング/車線逸脱警報/アダプティブLEDライト/ヒルローンチアシスト/レインセンサーワイパー/ガラス製リアウィンドウ付きソフトトップ/インテリジェントドライブマスター/7インチセンターディスプレイ/本革巻きステアリング&シフトノブ/本革シート/シートヒーター/フルオートAC/トルクセンシング式スーパーLSD/鍛造クランクシャフト/軽量フライホイール/トンネルブレースバー/エアロボード
●装着メーカーop:BOSEサウンドシステム7万7000円
●ボディカラー:ポリメタルグレーメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万650円

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ロードスターRF・VS 価格:6MT 373万5600円/6SAT 376万3100円 RFはルーフパネルが専用リッド内に格納される電動リトラクタブルハードトップ仕様 ルーフ開閉時間は約10秒 10km/h以下なら操作できる エンジンは2リッター直4DOHC16V(184ps/205Nm) タイヤ&アルミは17インチ標準
Writer:岡崎宏司 Photo:小久保昭彦

(提供:CAR and DRIVER