2020年5月22日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日21日(木)の米国株は反落。トランプ米大統領が対中強硬姿勢を自身の再選に向け焦点にする兆候が強まっているとの報道に対し、中国側が反発したことで米中関係の緊張が高まったことを嫌気した展開。「全人代開幕を控え、全人代の報道官は、一部の議員による賠償を求める動きについて、中国は新型コロナの感染拡大に関する訴訟の乱用や不当な賠償請求は一切受け入れない。自国の主権と安全保障、国益を守るとし、対抗措置をとる可能性を示唆した(出所:ブルームバーグ)。」ナスダックは1%下落。NYダウは101ドル安の2万4474ドルでクローズ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米国株の上値が重くなったことで、過去2カ月上昇を続けてきた豪ドル/円の上値が重くなっている。加えて、西原氏が懸念しているのが豪ドル/NZドル。過去2カ月の豪ドルの急騰は豪ドル/NZドルの上昇も大きく寄与している。個人的に、豪ドル/米ドルに対して強気な理由としては、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])がマイナス金利に対して積極的ではないことが挙げられる。豪州とニュージーランドの中央銀行が掲げる、金融政策のスタンスの相違から為替を考えてみると、RBAはタカ派であり、RBNZはハト派なので、豪ドル/NZドルは上昇ということになる。このことが過去2カ月豪ドル/NZドルを押し上げており、同時に豪ドルが他通貨に対しても続伸してきた要因となる。ただその豪ドル/NZドルの快進撃にも少々懸念が生じてきており、18日(月)に1.0844ドルの高値をつけ反落を開始している。豪ドル/NZドルの反発が豪ドル/円の59円台からの急騰を牽引してきたのであれば、今週に入ってからの豪ドル/NZドルのじり安傾向は、豪ドル/円の反落を示唆しているともいえる。豪ドル/円の戻り売りで臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。