ストラテジーレポートでは過去2回にわたって、コロナ・ショックに対応する戦略を提案し、銘柄のスクリーニングを行った。まず信用リスクモデルを利用した銘柄スクリーニングを提示した。こうした危機の時には信用リスクに注意を払うことが重要である。実際にレナウンなど上場企業でも破綻するところが出てきている。ストラテジーレポートで信用リスクについて書いたのは5月1日付のレポートだが、5月18日の日経新聞「スクランブル」は「信用リスクで銘柄選別」という記事を載せ、その中で「エムスリーは一時前週末比12%高、オービックは一時3%高を付け、それぞれ上場来高値を更新した。いずれも無借金や実質無借金で知られる」と書いた。僕のレポートのリストでエムスリーは第3位、オービックは第2位に挙げた銘柄だ。

ストラテジーレポート
(画像=Thinkstock/GettyImages)

先週は従業員当たりのソフトウエア額が大きい企業をリストアップした。アフターコロナで在宅ワークなどを進めるにはIT資本の充実度がカギになるからだ。そうした企業こそがこの苦境を乗り切っていけるだろう。まったく違う2つの切り口で選別したにもかかわらず、どちらにもリストアップされている企業が5社ある。

ジャストシステム(4686)

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(画像=マネックス証券投資情報サイトより)

コムチュア(3844)

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(画像=マネックス証券投資情報サイトより)

デジタルアーツ(2326)

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(画像=マネックス証券投資情報サイトより)

エムスリー(2413)

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(画像=マネックス証券投資情報サイトより)

オービック(4684)

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(画像=マネックス証券投資情報サイトより)

の5社である。これらは信用力が高く、またIT資本装備率も高い。攻守ともに優れた企業と言える。

ジャストシステムはタブレット端末を使ったオンラインの通信教育「スマイルゼミ」を運営している。コロナで学校が休校になり、こうしたサービスの価値が改めて見直されている。株価も高値圏にある。自己資本比率が約80%、営業利益率35%と文句なしの財務と収益力を誇る。

コムチュアはソフトウエア開発やシステム構築に携わる。オービック同様、コロナがあってもなくてもシステム需要は強まりこそすれなくならない。コムチュアは過去5年のROEが20~30%台の推移。それで自己資本比率が75%だ。強固な自己資本を備え、それが年2~3割のペースで増加していく。これで株価が上がらないわけがない。連日の上場来高値更新だ。

デジタルアーツは情報セキュリティの会社だ。在宅やリモートでの働き方が増えればますます情報セキュリティの管理が重要になる。自己資本比率が80%近くあり、驚くべきはその利益率の高さ。営業利益率は驚異的ともいえる40%に達する。まさに時代が要請する企業だけに今年度も大幅増収増益で6期連続最高益更新の見通しだ。

広木隆 広木 隆(ひろき・たかし)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問。外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。著書『9割の負け組から脱出する投資の思考法』『ストラテジストにさよならを』『勝てるROE投資術

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