Manegy
(画像=Manegy)

2020年4月21日配信記事より

新型コロナウイルス感染拡大により、大打撃を受けている経済界。一方で、ウイルス感染防止のため、テレワークや時差通勤などによる“働き方改革”が各企業で進んだ。

テレワークは業種や企業規模によっては導入しにくいと言われているが、経理・財務関連の現場ではどうだろうか。

一般社団法人日本CFO協会(本部:東京都千代田区、理事⾧:藤田純孝氏、以下「日本CFO 協会」)は、同協会会員を主体とした企業のCFO(最高財務責任者)と経理・財務部門の幹部を対象に、「新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響に関する調査」を実施した(調査期間:2020年3月18日~同年4月3日、調査方法:インターネットでのアンケート調査、回答者数:577名)。本記事では、この調査結果を一部抜粋してご紹介する。

<アンケートの結果概要>

●新型コロナウイルス、決算・財務業務に「影響あり」は7割以上

●今年(2020年)2~3月のテレワークの実施状況、「実施または強く推奨」は約4割にとどまる

●テレワーク中の出社理由、「紙の書類の処理」「会議」「銀行対応」など

●テレワークのニーズ、「緊急時は必要」が9割以上、「平常時も導入すべき」は7割以上

まず、新型コロナウイルスによる業務への影響についての質問では、決算業務について75%、財務業務について71%の人が「影響あり」と回答した。具体的に、決算業務では「海外拠点・子会社からのデータ収集の遅延」「連結決算の遅延、監査対応の遅延」「リモート対応による認識の齟齬」などがあがった。一方、財務業務では「有価証券の評価減」「資金計画・資金調達」「在宅の限界(現物確認、銀行振込)」といった声が寄せられた。

大きく分けて2つの要素(①景気の減退 ②リモートワークなどの働き方)が影響しているようだ。

また、アンケートではテレワークについても取り上げている。

今年2~3月のテレワークの実施状況について、「強制的に実施」は7%、「強制していないが強く推奨」が34%、「推奨しているがあまり実施せず」が28%、「実施も推奨もせず」が26%、「その他」が5%という数字に。“実施または強く推奨”は計41%と、過半数に届かない結果となった。

また、テレワークを実施・推奨した約70%のうち、「テレワーク実施中に出社する必要が発生した」と答えたのは41%だった。出社した主な理由は、「紙の書類の処理(請求書・証憑書類・押印手続・印刷)」「会議への参加」「打ち合わせ」「銀行対応」などがあり、企業や部署によってはテレワークで対応できない業務が多いのがわかる。

テレワークを実施しなかった約30%の企業は「書類や証憑証跡のデジタル化がなされていない」「外部関係者(銀行・監査法人・税理士・社労士・システム会社・コンサルティング会社など)とのリモート対応が不可能」「自部門、連携部門にWeb会議ツールがない」といった理由があがった。

テレワークのニーズに関する質問も興味深い。震災などの緊急時に備え、今後はテレワークができる体制が「非常に必要」が69%、「どちらかというと必要」が27%で、計96%の人が“必要”と回答した。また、平常時もテレワークを「ぜひ導入すべき」が45%、「導入すべき」が30%で、計75%が導入を希望しており、テレワークの需要性の高さが浮き彫りとなった。

なお、本アンケートの詳細な結果は以下のサイトに紹介されているので、企業の経理・財務部門担当者は確認してみてはいかが ろうか。

【緊急アンケート】新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響に関する調査

(日本CFO協会の2020年4月6日発行プレスリリースより転載。本記事の調査内容は日本 CFO 協会調べ)