2020年5月28日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

香港の国家安全法を巡る米中の対立を懸念材料として挙げる声は少なくないが、これまでのところ世界の株式市場は意に介していない模様だ。中国全国人民代表大会(以下:全人代)で同法の成立が確実視される本日28日(木)でさえ、日経平均株価は300円を超える大幅高となっている。トランプ米大統領は「(国家安全法に対する)制裁は強力なものになるだろう」と述べており、対中制裁措置が発表されれば株価に影響が及ぶ事も考えられるが、それでも米ドル/円相場への影響は大きくなさそうだ。株安などのリスク回避局面ではドルと円はいずれも買われやすい性質がある。反対にリスク選好局面ではいずれも売られやすいため、どちらにしても米ドル/円相場に方向感は出にくいという事になる。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円に方向感が出にくい反面、豪ドル/円を中心にクロス円は変動リスクが高まっていると考えられる。米中の対立でドルと円が買われれば、売られる側の通貨の筆頭が豪ドルだ。豪ドル/円は昨日27日(水)、71.90円台に上昇して約4カ月ぶりの高値を付けたが、その後は一時71円台を割り込んで反落するなど不安定な相場展開となっている。全人代は、国家安全法の香港への導入を採択して本日28日(木)夕刻に閉幕する見通しだ。その後に取引が始まる欧米株式市場がこれまでの楽観ムードを維持できるかが、本日28日(木)の豪ドル/円のカギとなりそうだ。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。