新型コロナウイルスの感染拡大により、小売・外食はもとより多くの業種が会社の経営を左右するほどの大きな影響を受けています。特に中小企業の経営的な打撃は計り知れません。そこで政府は、売上減に苦しむ中小企業を対象に、次々と資金繰り支援制度を打ち出しています。今回は、「セーフティネット保証4号」を中心に民間金融機関からの融資制度について、利用条件や申し込み方から、そのメリットまで詳しく解説していきます。また、5月1日から、売り上げが減少した中小企業や個人事業主を対象に、民間の金融機関からも実質無利子・無担保で融資を受けられる制度が始まりましたので、こちらについても紹介していきます。

民間融資の3つの枠をフル活用しよう

早急なアクションでコロナを乗り切れ!#3
(画像=Graphs/ pixta, ZUU online)

第1回でも触れた民間金融機関による融資について、もう一度おさらいしていきましょう。民間金融機関の融資(保証協会付き融資)には以下の3つの枠があります。

① 一般保証枠

売上高などの数値要件はなく、最大2.8億円の融資を受けることができます。

② セーフティネット保証枠

一般保証とは別枠で最大2.8億円まで融資を受けることができます。売上高5%以上減で利用できるのが「セーフティネット保証5号」で、指定738業種を対象に借入額の80%まで保証されます。売上高20%以上減で利用できるのが「セーフティネット保証4号」で、こちらは全業種を対象に借入額の100%まで保証されます。

③ 危機関連枠

セーフティネット保証とはさらに別枠で、最大2.8億円まで融資を受けることができます。売上高15%以上減で「危機関連保証」を利用でき、全業種を対象に100%信用保証されます。

①は平時に利用できる一般的な融資枠です。しかし、自然災害や今回のコロナの流行など不測の緊急事態が起きた場合には、著しい売上減のため新たに別の融資を必要とする企業は少なくありません。そこで、設けられた枠が②と③です。これらを活用することで、新たに別枠で融資を受けられるようになり、より多額の融資金を受けることが可能となるのです。 有事の際には、これら3つの枠をフル活用していきましょう。