要旨

経済見通し
(画像=PIXTA)

<実質成長率:2020年度▲5.4%、2021年度3.6%を予想>

  1. 2020年1-3月期の実質GDP(2次速報)は、設備投資の上方修正を主因として、1次速報の前期比▲0.9%(年率▲3.4%)から前期比▲0.6%(年率▲2.2%)に上方修正された。
  2. GDP2次速報の結果を受けて、5月に発表した経済見通しを改定した。実質GDP成長率は2020年度が▲5.4%、2021年度が3.6%と予想する。2020年1-3月期の上方修正により2019年度から2020年度への発射台(ゲタ)が上がったことを受けて、2020年度を0.1%上方修正したが、景気の先行きについての見方は変わっていない。
  3. 2020年4-6月期の実質GDPは、前期比年率▲24.4%とリーマン・ショックを超えるマイナス成長となることが予想される。緊急事態宣言の解除を受けた経済活動の再開により7-9月期以降は高めの成長となるが、4-6月期の落ち込みを取り戻すには至らない。
  4. ソーシャルディスタンスの確保が、外食、旅行、娯楽などのサービス支出を抑制すること、倒産や失業者の急増などによりV字回復のための経済基盤が損なわれたことから、経済活動が元の水準に戻るまでには時間がかかるだろう。
  5. 経済活動の急激な落ち込みを受けて、長期にわたり改善傾向が続いていた雇用情勢は大きく悪化し、失業率は現在の2%台半ばから4%台まで上昇することが予想される。
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(画像=ニッセイ基礎研究所)