新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、人との接触を減らさなければならない状況が続いている。これまで訪問営業をしてきた営業職にとって、深刻な事態だ。電話営業に切り替えたものの、思うように成果が上がっていない人も多いだろう。そこで、関西最大級のコンタクトセンターを持ち、6年連続2桁増収を続ける〔株〕カスタマーリレーションテレマーケティングで働く電話営業のプロ・正木達朗氏に、そのコツを教えてもらった。

最も大切なのは「笑声(えごえ)」でシンプルに話すこと

電話営業
(画像=THE21オンライン)

――入社以来、アウトバウンドの電話営業をしてきた正木氏の業務は、電話帳を見ながら法人の新規顧客にアプローチして、通信回線の契約を切り替えてもらうこと。回線の卸売業者から委託を受けて行なっている。クロージングをしたら、委託元の業者に情報を伝え、委託元から顧客に確認を入れたあと、実際の契約となる。

正木「電話営業では、お客様の表情が見えません。これが、対面での営業活動と最も大きく違うところです。

表情が見えないからこそ大切にしているのが、対面で話しているイメージをしながら、笑顔で、高めの声で話すことです。これを私たちは『笑声(えごえ)』と呼んでいます。

テレビドラマやアニメなどでも、主人公や優しいキャラクターは声が高くて、悪役や恐いキャラクターは低いですよね。声が低いと、相手は恐怖を感じてしまうのです。皆さんも、知らない相手からの電話の声が低いと、恐いと感じるのではないでしょうか。

私は普段は明るい性格ではありませんし、友人との電話では不愛想だと思われているのではないかと思います。でも、仕事ではそれではダメ。役者が、自分の性格に関係なく、作品によって様々なキャラクターを演じるように、仕事のときは仕事の話し方をしなければなりません。恥ずかしがらず、プライドに囚われないことが大事です。

慣れていない方の場合は、営業トークの台本を棒読みしてしまうことが多いのですが、それだと声のトーンが低くなってしまいます。ニュース原稿を読むアナウンサーのようなトーンですね。すると、お客様に対話をする姿勢になっていただけません。電話営業で成果を上げるために最も効果的な改善ポイントは、声を明るく元気にすることです」

――話す内容については、シンプルにすることを心がけているという。

正木「電話営業では資料をお見せできないこともあり、お客様が知らないワードを口にすると、理解していただけません。ですから、できる限りわかりやすい言葉で、シンプルにお話ししています。私の場合ですと、『使い方は今と変わらずに、料金が下がります』と、最初にお伝えしています」