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▲テスラ・サイバートラック ピーターセン自動車博物館で実車を展示

7月1日、テスラの株価時価総額が2077億ドルに達した。2位のトヨタが2020億ドル。2019年の年間販売台数は、テスラが約36万台、トヨタは約1074万台。規模でいえば、トヨタの30分の1のテスラの株価がここまで高騰する背景は何か。また、テスラは来年発売予定のサイバートラックが大きな話題になっているが、実車が展示される機会があった。テスラに関する話題を集めた。

えっ、トヨタを超えた!? テスラの株式時価総額が高騰する理由

 米国のEVメーカー、テスラは現在、最も注目を集めている自動車メーカーかもしれない。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため停滞していた経済活動が徐々に再開するタイミングで、大きな話題があった。
 7月1日、テスラの株式時価総額が20777億ドル(約22兆3000億円)を超えた。これは自動車メーカーの中で世界トップ。トヨタ自動車の2020億ドル(約21兆7200億円)を超えている。
 テスラの年間販売台数(2019年)は約36万台。これに対してトヨタは約1074万台。つまり、テスラの販売規模はトヨタの約30分の1でしかない。それでもこれだけ株価が高い理由は、EVに対する投資家たちの期待が高く、テスラの財務体質が好転しているからだろう。
 テスラは今年1月、2019年第 4四半期(10〜12月)の決算を発表。純利益は1億500万ドル(約112億7000万円)と、第3四半期の1億4300ドルに続いて黒字の報告をした。第1〜2四半期はともに赤字だったため、年間を通じては8億6200万ドルの純損失になる。今年4月に発表した第1四半期の決算は2億2700万㌦と、3期連続で黒字になっている。

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▲サイバートラックはエクソスケルトンと命名された頑丈なボディを持つ ガラスは防弾性能を秘める
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▲サイバートラックのルーフ部分を開けると荷台になっている

 テスラは2021年後半からサイバートラックの生産を開始する予定。米国ユーザーが大好きなピックアップトラックのEVとあって、昨年11月の発表と同時に話題が沸騰。生産・販売が順調にいけば、さらに株価は上昇するかもしれない。
 ところで、サイバートラック(プロトタイプ)が、7月19日から26日までの1週間という短期間ではあったが、米国ロサンゼルスのピーターセン自動車博物館で展示された。テスラはディーラーを持たず、オンラインでの注文か、テスラ・ショップで購入するスタイルだった。一般的な広告はいっさい行っていない。そうした事情もあって、実車を見る貴重なチャンスになった。
 ピーターセン自動車博物館はテスラとパートナーシップを持つ数少ない施設のひとつ。テリー・カージス館長は「テスラはモデルSのプロトタイプを発表して以来、社会にEVが広く受け入れられる先駆者の役割を果たしてきた。サイバートラックは商用車、ユーティリティカーの未来を切り開くクルマであり、今回の再オープンを飾るのにふさわしい1台だ」と語る。
 サイバートラックは「エクソスケルトン」と呼ばれるフラットパネルの鋭角的な組み合わせの外観が特徴で、パネルはステンレススチール、ガラスには防弾性能が盛り込まれている。

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▲ダッジ・チャレンジャーSRTデーモン 0〜60mph加速で2.3秒を記録(2018年)

 注目は0→100km/h加速データだ。メーカー発表値は2.9秒である。これがどれくらいすごいスペックなのか。0→100km/h加速の2020年度の上位を見てみると──。
①ダッジ・チャレンジャーSRTデーモン・アルティマエボリューションクーペ(2.3秒)②テスラ・モデルS/ポルシェ・タイカン・ターボS/ブガッティ・サイロン(2.4秒)③ポルシェ918スパイダー(2.5秒)と、トップ3は電動モデルが並ぶ。やはりモーターの瞬発的加速性能はすごい。そしてサイバートラックは、フェラーリF8トリブートやマクラーレン620Rと並ぶ2.9秒を誇る。
 先鋭的なデザイン、圧倒的な性能を誇るサイバートラックを博物館で鑑賞できたファンは幸せかも。

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▲ポルシェ・タイカン・ターボS
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▲テスラ・モデルS モーターの大トルクを生かして鋭い発進加速を見せる
Writer:土方細秩子

(提供:CAR and DRIVER