日本には100年以上続く老舗企業があります。全国で最も老舗が多いのが東京都ですが特に中央区に多いのが特徴です。その理由は江戸時代に中央区が商業の中心地だったことに起因します。老舗企業が末永く経営を続けていられるのは、どのような秘訣があるのでしょうか。また、長寿企業の経営哲学がマンション経営にも役立つ事があるでしょう。

マンション経営は20年、30年と長く続けるのが基本

不動産投資
(画像=starmix/stock.adobe.com)

マンション経営は20年、30年と長く続ける事業かつマンション経営のビジネスモデルは投資額を家賃収入で回収することです。投資額を回収すれば出口戦略として売却したりそのまま保有を続けて年金代わりに収入を得たりすることもできます。30年という期間は長く感じますが、実は日本には100年以上も経営を続ける老舗企業が多数あるのです。

中でも東京都中央区は、老舗が多いエリアとして知られていますが、そのルーツは江戸時代に遡ります。

老舗企業が東京の中でも特に中央区に多い理由は?

東京都中央区は、東海道五十三次の起点として知られる日本橋があり江戸商業の中心地でした。徳川家康が大規模な埋め立てや都市整備を行った結果、今の中央区の基礎が築かれたのです。特に日本橋川の開削や神田山の切り崩しによる埋め立てで日本橋や京橋、銀座などの街が形成されました。江戸には川も多かったため、舟の運行による物資の搬入が盛んでした。

江戸の大量消費を支えるため、魚河岸ができたほか、さまざまな物品を扱う商人や事業者が集まり商業地として発展していったのです。その後、関東大震災や戦争を経て姿を消す事業者があった一方、今も事業を継続している企業が区内に集積しています。このような歴史を振り返ると中央区に老舗企業が多いこともうなずけるでしょう。

老舗企業が続ける「当たり前のこと」とは?

では、なぜ老舗企業は100年以上にわたる長期間経営を続けてこられたのでしょうか。東京商工会議所中央支部の分析によれば老舗企業は本業を重視しつつも昔のやり方にこだわらず新規の顧客や販売経路を常に開拓する取り組みを行ってきたというのです。老舗企業というとかたくなに自社の伝統を守ろうとするイメージがあるかもしれませんが決してそれだけではありません。

守るべきところは守り変えるべきところは変えていく……「当たり前のことを日々続けてきた」という経営者も多い傾向です。しかし災害や経済危機など困難なときに当たり前のことを続けることが一番難しいといいます。その当たり前を長年続けられることが老舗企業の強みなのかもしれません。

老舗企業から経営の秘訣を学ぼう

老舗企業が行ってきた経営の秘訣から3つのことを学ぶことができます。それらの秘訣はマンション経営にも生かせるはずです。

1.本業をしっかりと守る

本業をしっかりと守ることは経営の基本です。老舗企業は顧客のために伝統の技術や味を守り続けてきました。マンション経営も入居者にとって住みやすい住宅を提供していくことが使命であることに変わりはありません。セキュリティの強化をはじめ入居者に信頼されるマンション経営を目指すことが重要です。

2.新しいことも取り入れる

マンション経営も昔のやり方にこだわっていれば時代に乗り遅れてしまうのは同じです。基本は大事にしつつも日進月歩で発展するIT技術を取り入れることも必要でしょう。人間が管理するのが基本でありつつも5G時代に入ったこれからの時代はIoT住宅の導入なども視野に入れる必要が出てきます。宅配ボックスやカーシェアリング、スマートロックなど新たなサービスも次々に登場しています。

老舗企業がやってきたように守るべきことと変えるべきことをしっかり見極めていくことが必要です。

3.困難なときにも当たり前のことを続ける

なかには金融危機や大きな災害が起こったとき先行きに不安を覚えて物件を手放してしまう人もいるでしょう。しかし金融危機や災害はずっと続くわけではありません。老舗企業のように当たり前の経営を続けることで金融危機や災害から回復したときにさらなる事業の発展が望めるのです。

ここまで老舗企業から学べる経営の秘訣を見てきました。示された3つの秘訣をマンション経営にも活かしし、息の長い事業を実現できれば理想的といえるでしょう。(提供:Dear Reicious Online


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