【目次】
①️ヘッドウォータースIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【9/15更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【9/8更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社ヘッドウォータース
- コード
- 4011
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役 篠田 庸介 /1968年生
- 会社住所
- 東京都新宿区新宿二丁目16番6号
- 設立年
- 2005年
- 社員数
- 74人(2020年7月31日現在)
- 事業内容
- AIソリューション事業
(企業の経営課題をITやAIのシステム開発を通して解決するソリューション事業を提供) - URL
- https://www.headwaters.co.jp/
- 資本金
- 243,866,000円 (2020年8月24日現在)
- 上場時発行済み株数
- 922,800株
- 公開株数
- 100,000株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/09/07→2,240~2,400円に決定
- ブックビルディング期間:2020/09/09 - 09/15
- 公開価格決定:2020/09/16→2,400円に決定
- 申込期間:2020/09/17 - 09/24
- 上場日:2020/09/29→初値28,560円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:東海東京証券
- 引受証券:極東証券
- 引受証券:あかつき証券
- 大株主
- 篠田庸介 59.98%
- プライムロック2号投資事業有限責任組合 9.60%
- プライムロック1号投資事業有限責任組合 8.44%
- (株)ベクトル 6.75%
- トリプルワン投資事業組合 2.28%
- (株)チェンジ 1.73%
- 疋田正人 1.58%
- 萱沼武広 1.58%
- (株)IBJ 1.12%
- 畠山奨二 0.95%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/12 単体実績
922,377 19,542 17,204 238,970 - 2018/12 単体実績
933,880 51,377 43,472 282,442 - 2019/12 単体実績
1,067,746 121,381 100,153 382,595 - 2020/06 中間単体実績
588,647 131,853 110,867 493,462 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年12月27日まで
または、上場後180日目の2021年3月27日までは普通株式の売却ができず(例外あり) - 調達額(公開株数×公開価格)
- 2億4000万0000円(100,000株×2,400円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 125,400株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社ヘッドウォータース<4011>は企業の経営課題をITやAIのシステム開発を通じて解決するAIソリューション事業を主に展開する企業である。
■同社沿革について
同社は2005年11月にソフトウェア開発を目的として設立された。その後2014年6月にロボットアプリ制作サービスを開始し、2018年1月にはマルチAIプラットフォーム「SyncLect」をリリースしている。
■同社のサービスについて
同社が提供するAIソリューション事業は下記2つのサービスより構成されている。
・インテグレーションサービス
・OPSサービス
●インテグレーションサービスについて
インテグレーションサービスは「AIインテグレーションサービス」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス」、「プロダクトサービス」から構成されている。
「AIインテグレーションサービス」は顧客の業務を分析し、AIの活用部分を抽出し、概念実証を行った後に選定したAIを既存の業務に組み込み、運用までをワンストップで行うサービスである。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス」は顧客のDXをワンストップで支援する。部分的なデジタル化ではなく、顧客の業務全体のデジタル化を目指し、計画的にシステムの開発・導入やデータの蓄積を行っている。
「プロダクトサービス」は同社が保有するAIプロダクトであるSyncLect(AIソリューション開発用の社内向けプラットフォーム)やPoket Work Mate(業務マニュアルのデジタル化や業務ノウハウの共有を行うツール)等を顧客に提供し、カスタマイズすることで顧客の経営課題を解決するサービスである。Poket Work Mateは小売業の顧客での利用が中心だが、医療分野や飲食分野での使用も開始されており、将来の安定した収益基盤として注力中の分野である。
●OPSサービス
OPSサービスは主にインテグレーションサービスで開発したシステムの改善や保守を行っている。同社で開発したシステムをより有効的に活用するための運用サービスである。
■同社事業の特徴
同社におけるAIの導入プロセス及び各プロセスの主な業務は下記となっている。
同社のAIソリューション事業は営業フェーズでのコンサルティングによる課題解決、生産性向上を実現するワンストップのAI導入支援を特徴としている。
■2019年12月期の主な売上先
2019年12月期 売上高11億円
・株式会社インフォキュリオンデジタル 売上高2.6億円(割合24%)
・株式会社ニチリウ永瀬 売上高2.5億円(同23%)
・株式会社JALインフォテック 売上高0.9億円(同8.3%)
2019年12月期はフィンテックベンチャー企業グループの株式会社インフォキュリオンデジタル(未上場)向けの売上が、最多の2.6億円の計上となっている。またほぼ同規模の売上が家庭用園芸用品などを手掛ける株式会社ニチリウ永瀬(未上場)向けに計上されている。
株式会社インフォキュリオンデジタルに対しては2018年12月期1.3億円(同13%)、2020年12月期Q2 0.7億円(同12%)と毎期コンスタントに売上が計上されている。一方で株式会社ニチリウ永瀬は2018年12月期以降では2019年12月期のみの売上計上となっている。
■業績推移
2017年12月期 売上高9.2億円、経常利益0.2億円、当期純利益0.2億円
2018年12月期 売上高9.3億円、経常利益0.5億円、当期純利益0.4億円
2019年12月期 売上高11億円、経常利益1.2億円、当期純利益1.0億円
2020年12月期(予想) 売上高11億円、経常利益1.7億円、当期純利益1.4億円
着実な増収増益を続けており、2017年12月期より黒字化している(2016年12月期は赤字決算)。2019年12月期に経常利益及び当期純利益で1億円の大台に到達した。
今期(2020年12月期)も着実な増収増益を予想している。Q2時点で売上高5.9億円、経常利益1.3億円であり、通期予想に対する進捗は順調である。
■財務状況
2019年12月期末時点で資産合計5.6億円に対し、純資産合計3.8億円、自己資本比率68%である。借入金0.3億円に対し現預金4.0億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。尚、資産合計のうち最大の科目は現預金4.0億円である。
キャッシュ・フロー計算書では営業活動によるキャッシュ・フローが、2018年12月期+0.1億円、2019年12月期+2.1億円で推移している。2019年12月期は税引前当期純利益1.2億円に加え、売上債権の減少1.2億円があり営業活動によるキャッシュ・フローは大幅に増加した。
■資金使途
IPOにより2.1億円の資金調達を行い、調達資金の殆どはAIソリューション事業を推進するために必要な人材採用費及び人件費に充当する計画である。
■株主状況
篠田社長が筆頭株主(株式シェア60%)である。
第2位株主であるプライムロック2号投資事業有限責任組合(同9.6%)以下、合計3名義でVCが出資を行っておりVC比率は約20%である。尚、VCはIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
第4位株主である株式会社ベクトル(6058:同6.8%)、第6位株主の株式会社チェンジ(3962:同1.7%)、などの事業会社も出資を行っている。
個人、VC、事業会社と幅広い株主から出資が行われている。
■まとめ