保険業界においてはAIやブロックチェーン技術の活用による業務効率化・コスト削減によって、利便性の高い保険商品の開発が進んでいます。

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(画像=STOnlineより)
  • 保険に入りたいけど、手続きが面倒
  • 保険料が高い気がするけどどうすればいいかわからない
  • 加入したはいいけど見直せるの?

本稿では、これまで保険に入ったことがない人やもっと保険料を抑えたいという人に向けて最新技術を活用したデジタル保険について解説していきます。

目次

  1. ドコモ:AIほけん
  2. 東京海上日動火災保険:人工衛星×AI
  3. 運転特性連動型自動車保険「GOOD DRIVE」
  4. ブロックチェーン技術を活用した実証実験について

ドコモ:AIほけん

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Characters of an extended family with healthcare illustration

これまで保険加入の手続きは、実際に店舗に行ってアドバイスを受けるなど対面式で行われることが当たり前とされてきました。

近年ではインターネットを活用して本人確認から保険加入までを一括して行えるサービスも普及し、保険会社はより良いサービスの提供に向けて最新技術の活用に取り組んでいます。

ドコモは東京海上日動と共同で「AIほけん」の開発・提供を2019年12月から開始。

「AIほけん」はdアカウントの登録情報をもとに最適な保険商品をレコメンドしてくれるサービスで、万が一の怪我や盗難、ネットトラブルなど8種類の保険を提供しています。

スマホで補償金額設定が気軽にでき、保険の見直しの提案も定期的に行われるなど、これまで対面や書類を用いて行われてきた手続きが不要であることが1番の特徴です。

おすすめプランを無料で確認でき、月額100円から利用も可能となっています。

AIを活用したレコメンド保険はemolと第一生命保険が実証を今年の9月に開始するなど、メンタルセルフケアといった付加価値を提供することで、さらなるサービスの発展が見込まれます。

保険に加入したい顧客が本質的に何を求めているのかが、AIによってより明確化されることで、保険会社は顧客満足度の高い保険商品の提供を実現することができるでしょう。

東京海上日動火災保険:人工衛星×AI

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ある一定の条件(震度5以上など)を基準にして短期間の保険金の支払いを実現するインデックス保険の開発・提供が行われるなど、自然災害に関する保険の利便性向上が図られています。

損害査定を要する保険商品に関しては、「AI技術を活用した人工衛星画像の分析」といった取り組みが行われており、保険会社は浸水高を正確な測定など水害の被害状況を迅速に認識することができます。

東京海上日動火災保険は、2019年から「AI技術×人工衛星画像」を活用した査定業務の効率化を図る仕組みづくりに着手し、今年の7月には九州地方で発生した豪雨において本格的な運用を開始。

浸水状況の正確な把握によって災害によって生活が困難になった人々への迅速な保険支払いを実現することができ、今後は、「全損認定」に向けた取り組みを進めると東京海上日動火災保険はしています。

これまで多くの人件費がかかっていた業務をAIによって効率化することで、より効率的な保険商品の提供が可能となることから幅広い分野で取り組みが進んでおり、自動運転バスにおける忘れ物の検知にAIを活用する実証を愛知県が中部国際空港(セントレア)が実施するなど、ユースケースの創出が各地で行われています。

運転特性連動型自動車保険「GOOD DRIVE」

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運転特性をAI技術を活用して分析することで事故リスクを5段階で評価し、未然に自動車事故防止する保険商品の開発/提供をソニー、ソニー損害保険、ソニーネットワークコミュニケーションズの3社が共同で実施。

急な加速やブレーキは減点対象となるなど、スマートフォンで自分の運転特性を簡単に計測/把握できることで、安全運転に向けた意識づけをドライバーに促すことが可能となります。

運転特性連動型自動車保険「GOOD DRIVE」は、2020年3月から販売が開始されており、スマホアプリ「Yahoo!カーナビ」でのドライブランクの表示など、他社サービスとの連動によってより多くのドライバーへサービスを提供。

事故リスクの定量化に向けては、ソニー損害保険が有する過去の交通事故データと運転特性データをビックデータを用いて解析する実証が行われ、正確な事故リスクの算出によって保険料のキャッシュバックなどインセンティブの仕組みも設けられています。

AI技術を活用してドライバーの行動そのものを改善することで自動車事故を未然に防止することを促す「GOOD DRIVE」は、これまでの事故発生をもとにした保険商品などとは異なる付加価値の提供を実現。

これまで企業/部門ごとに管理されていた様々なデータを持ち寄ることで、新たな保険商品開発/提供の可能性が見込めるなど、保険業界のデジタル化に向けては企業間のデータ連携が重要であると考えられます。

ブロックチェーン技術を活用した実証実験について

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Illustration of family life insurance

日本では、日本損害保険協会がNECとともに複数の保険会社が関与する「共同保険」の業務効率化に向けてブロックチェーン技術を活用した実証実験を行うことを明らかにしています。

この実証実験には、東京海上日動火災保険、損害保険ジャパンなど8社が参加し、これまで書類で行われていた契約情報の確認業務をブロックチェーンを用いてペーパレス化し、正確な情報を迅速に共有することでコスト削減やより良い顧客体験の提供につながると考えられます。

また、住友生命保険相互会社がR3 Cordaブロックチェーン技術を活用した保険請求手続きの実証実験を今年1月に実施しており、TIS 株式会社、医療法人社団 KNI、株式会社 Kitahara Medical Strategies Internationalといった企業が参加。

実証実験では給付金自動請求の実現可能性の検証が行われ、必要書類のやり取りを病院や保険会社、契約者が行わなければならなかった従来の保険請求手続きを効率化するためブロックチェーン技術の活用が進んでいます。

生命保険請求の手続きが簡略化されることで、より利便性の高い保険商品の提供が可能となることから様々なデジタル技術を用いた実証が今後も保険業界では行われることでしょう。

新たな保険商品の提供に向けてブロックチェーン技術の活用が日本でも行われており、実用化に向けて大きな期待が寄せられています。(提供:STOnline